せきねしんいちの観劇&稽古日記
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今日も寝ている。6月のラ・カンパニー・アンの「罠の狼」の稽古スケジュールが届く。連休中に稽古が始まる。とってもあわただしい気持ち。 初めての客演で西山水木さんはどんな役を書いてくれるんだろうと思っていたら、ぼくの役はゲイ。博多弁をしゃべらないといけない。どうなるんだろう? 台本を読みながら、わくわくする。 昼間、買い物をしに、近くのスーパーへ。自転車に乗って。いつもは使わないカートを押しての買い物。やっぱりラクだ。 気がつくとすっかり大荷物になってしまって、自転車にたどりつくまで苦労する。
一日、横になっている。 近くの医者に行ったところ、やはり腰の痛みはぎっくり腰だとのこと。もう何度目かでくせになっていることは間違いない。連休中は休んでなさいと言われるがそうもいかない。とりあえず、今日は、何もしないと決める。 コーヒーの入ったカップを持って階段を上がるのに苦労する。猫はもちろん抱けない。いろんな姿勢で横になっているうちに、「ミッシング・ハーフ」の5場の冒頭で横になるのが、唯一ラクな姿勢だと判明。 夜、「宮廷女官チャングムの誓い」を久しぶりにオンタイムで見る。なんだか偉いことになっている。今年のgaku-GAY-kaiは、狸御殿の予定だけれど、「チャングムは?」はというアイデアもあったりする。どうだろう?
メジャーリーグで樺澤氏と待ち合わせ。まずは制作関係の荷物を降ろすところから、今日の返しの始まり。 腰がいたくて、ほとんど眠れず、家を出たものの歩くのがつらくて、なんでこんなに?というくらいのろのろした巣鴨までの道のり。ただ立って電車に揺られているというのがこんなにつらいとは。 おばあちゃんの本場、巣鴨に降りて、すたすたと歩いていくおばあちゃんたちに追い越され、時々、道ばたで立ち止まりながら、ようやくたどりつく。 なんでもなく歩くよりは、荷物を持つという目的があったほうが、カラダはラクなことが判明。それでも段ボールに入った紙類をえいっと二人で持ち上げたときには、さすがにギブアップ。管理人さんに台車を借りて、あとは順調に。 その後、国領のタカツへ小道具の返し。お久しぶりな中村さんにごあいさつ。お世話になりました。 食事をしたあと、両国の倉庫へ。 12時から一足先に倉庫の整理をしている予定だったまみぃが、足に怪我をしたとの連絡。なんでも、針を足に刺して、病院に行っているとのこと。 出がけにうっかり鍵を忘れ、先にまみぃたちが行ってるからだいじょぶと思ってしまったので、しばらく待つことに。森川くん、小林くん、樺澤氏と道ばたでのんびり。 前から、なんでおばあちゃんは道ばたにすわってるんだろうと思っていたのだけれど、そのわけがわかった。ラクだから。腰が痛くなって初めてわかる、おばあちゃんの気持ち。ベビーカーやショッピングカートを押しているのも、そのほうがラクチンだから。ただ歩くよりもずっとずっと。 まみぃが怪我を押して来てくれて、そこから倉庫に今回の装置を片付けていくことに。計算上は入るはずの入口が、一番大きなパネルにはほんの少しだけきつく、結局、一度、ドアをはずして入れることに。その間、ぼくは、重いものが持てないので戦力外。 なんとか全部を入れることに成功して、二階の森川くんのお宅におじゃまして、お茶をいただく。のんびりと。 すっかり虎刈りになっているデリ子さん、以前よりもずいぶん人なつこい猫になっていてびっくり。 帰りは、亀戸経由で座りっぱなしをめざす。佐久間さんから聞いていた、「亀戸のエルナードがアトレになってる」というのを、確認。高校の頃からよく来ていた駅ビル、ちょっとさびしい。 家にかえって、とにかく横になる。洗濯も片付けも今日はパス。
2006年04月27日(木) |
「ミッシング・ハーフ」千穐楽 |
じっとりとした曇り空。出がけにはぱらぱらと小雨。急に寒くなった。 自転車に乗って出かけたら、家の近くの曲がり角ですごいいきおいで走ってきた車にぶつかりそうになる。急ブレーキをかけたものの、バランスを崩して倒れてしまい、膝を地面に。しばらくドキドキしてしまう。怪我をしないでよかった。 今日は千穐楽。昨日、打ち上げをしてしまったせいか、ちょっと不思議な気持ち。いつもの公演だと、打ち上げで初めて話したいろいろを、そうか、もっとああしておけばよかったなと思ったりするものだけれど、今回は、昨日話したあれこれを「さあ、どうしようか?」と考えてみることができる。うれしいおまけのような一日だ。 いつものように劇場入りして、準備を始めて、開演。 千穐楽の舞台を、しっかり生きる。で、終演。 今日はカーテンコールをダブルいこうということになったので、拍手の中、また舞台に出ていった。 二度目に戻るとき、腰にいやなかんじが。「小走り」で袖に駆け込んだのだけれど、つい油断した。芝居の中ではずっと用心して重心を上げていたのだけれど、うっかりそのままでばたばたと走ってしまった。 客席の下を通って、楽屋に行く頃には、確信。またやってしまった。ギックリ腰。 お客様にご挨拶に出たあと、片付けに入るが、腰の痛みは本格的に。手伝いに来てくれた三枝嬢に「だいじょうぶ?」と心配されながら、メークを落とし、化粧前を片付ける。 終演後のバラシは、大忙し。青木タクヘイさんも来てくれて、ほんとうにありがたい。富士見丘以来のご挨拶をする。 みんながてきぱきと動くなか、ぼくはとっても使い物にならない。ほうきをとっても痛みが走って、いいから座っててと言われてしまう。 フライングステージのマミィ、ノグ、早瀬くん、小林くん、それに宇田くんがバラシを手伝ってくれる。みんなとってもたのもしい。すっかり成長した子供を見るような気持ち。 11時半頃までかかってようやく終了。それでも、9時半終演だから、すごい手際のよさだ。 スタジオには明日からの劇団さんが搬入、仕込みに来ている。なんて融通のきく小屋なんだろうと感動。 雨模様のなか、駅まで歩き、解散。 照明の青木さんが、ブースから撮った写真をハガキサイズにコラージュしたものをプレゼントしてくれた。大門さんバージョン、森川くんバージョン、それにぼくと3種類。中央に空の舞台の写真、そしてまわりがそれぞれの写真。こんなふうなんだ!と客観的に舞台がみえて感動。うちの芝居じゃないみたい!と言い合ったりした。大事にします。青木さん、どうもありがとうございました。 そんなこんなで「ミッシング・ハーフ」、終了しました。ゲイのゲの字も出てこない芝居でしたが、ぼくにはとても大事な舞台になったという手応えがあります。公演に協力いただいたみなさん、そしてご来場いただいたみなさん、ほんとうにどうもありがとうございました。 8月の「ムーンリバー」は、10代のゲイの男の子の気持ちの揺れを描く群像劇。下町を舞台に、大人と子供の一人二役で、昭和50年代を振り返ってみようと思います。どうぞご期待下さい。
2006年04月26日(水) |
「ミッシング・ハーフ」8日目 |
昼夜2回公演。マチネはどれだけのお客様が来てくれるのだろうと、どきどきしながらの開演。 当日券の方を何名もお迎えして、それなりに客席は埋まってほっとする。 芝居は、ていねいにアップをして、いっぱいおしゃべりをして、闘って前に進むことを心がける。なぞらない芝居を心がけるが、テンポを意識すると、どこかでそのことがおろそかになってしまうかもしれないと、気をつけながら。 終演後、桜澤さん、はるひちゃんたち、お客様にごあいさつ。この回はギャザリング制度というのを設定していて、多くのお客様においでいただけたときは、どんどんチケット代が安くなるというシステム。とりあえず、500円バックにはなったようで、一安心。 昼夜の公演の間、今日も大門さんがお総菜を持ってきてくれる。今日が最後だからという豪華版。竹の子ご飯に、もやしとほうれんそうとぜんまいのナムル、切り干し大根の煮物、絹さやと鶏肉の卵とじ。今日も、おいしくいただく。ごちそうさまでした。 夜の公演は、土日の二回公演よりは1時間半長いインターミッション。それでも、うまく時間をつぶして、「余裕をもたないよう」気をつける。 開場前の時間に舞台で森川くんとだらだらと話す。楽屋に行けば、僕はメークをわたわたとしなければいけないので、この時間のほっとひといきなかんじがとても好きだ。劇中では、終始、緊迫している役の彼との何でもない時間が、静かにしみるそんなかんじ。 開場、そして、開演。千穐楽一日前の舞台は無事に終了。終演後、メークを落とさずに、ご挨拶に出る。メジャーリーグの笹部さんにごあいさつ。どうもありがとうございました。 扉座の田中さん、里沙ちゃん、松本たけひろくん、さっこちゃん。などなどみなさんにも、ごあいさつしながら、メークしたまんまだということが、とっても照れくさい。いつもは、そんなに気にならないのになんでだろうと考える。 今日は、一日前倒しの打ち上げ。劇場のお隣のスペース、パセオにて。スタッフ、キャスト、フライングステージのめんめん、いっこうちゃん、宇田くん。それに、笹部さん、サンモールスタジオの佐山さん、吉田さん、それにイキウメの宇井くんたちも参加してくれる。 ゆるゆるとお酒を飲み、おしゃべり。 イキウメの宇井くんに名刺をいただく、ご挨拶して、しばらくしたら「出演されてましたよね?」と驚かれる。まるで別人なので、無理もない。今回、自分でもびっくりするくらい、舞台上と素顔の僕は、全然違う。女装姿は、まあ昔からこんなもんよね?という気がするので、明らかにふだんの顔に問題があるんだなあと思う。 笹部さんとの芝居の話、スタッフみなさんのテーブルにいた森川くんと話した、「一歩」の話。とてもおもしろかった。 佐山さんに会場のとなりの、工事中のスペースを見せていただく。ステージのついたとてもおもしろそうな空間。二丁目に不足しているハコとして、おもしろい使い方ができそうだ。間もなく完成とのこと。楽しみだ。 あと一日、一回だけの公演、悔いのないように舞台の上で生きたいと思う。 終電の丸ノ内線で一足お先に失礼する。ノグと途中まで一緒になる。いろいろおしゃべり。 話すことは元気をくれる。そのことをあらためて実感。 さあ、残すところあと1回。悔いの残らないよう、きっちり努めたいと思う。
2006年04月25日(火) |
「ミッシング・ハーフ」7日目 |
近所の猫はさかりがついて、妖しい声でないている。うちのは去勢しているので、大人しいのだけれど。 今朝、庭でないている白に黒のぶち猫を見つける。雄のちょっと年取ったかんじ。あやしくないては、うちの猫に何かしゃべっている。雄なのに。なわばりあらそいか? 母親に聞いたら、近所の妹の家の近くにいる「かつらちゃん」という野良猫らしい。白い頭に黒のぶちが、まるでおかっぱのかつらのようなので、妹が命名したそう。 かつらちゃんは、家の回りをぐるぐる回って、うちの猫に追いかけられている。首輪なしのちょっとやせた姿がいたいたしい。仲良く遊びなとうちの猫に声をかける。
「ミッシング・ハーフ」は7日目。昨日の反省をふまえて、準備はしっかり、それでも余裕をもちすぎないように考えながらの準備。 のぐ、小林くん、宇田くんが来てくれる。 照明の青木さんから、すてきな武勇伝をいろいろ聞いて、気持ちが盛り上がる。 そして、開演。芝居は、いいかんじで進む。今日も、森川くん、大門さんと舞台で初めて会うような気持ち。 沢村源之助の場面、とてもすっきりとできた。森川くんとのやりとりも、昨日の微妙な場面をクリアして、きちんと積み重なっていく。終演後、よし!というてごたえをかんじる。 くまがいさんにごあいさつ。メークを落として出たら、「ドレスを着たあの人に渡したかった」といわれる。うん、たしかに。全くの別人だからね。 ピンズログのみなさんが来てくれる。感謝。感謝。 今回の装置を劇団の倉庫に入れるため、森川くんにドアの寸法をはかってきてもらう。ちょっと無理なんじゃ?と心配になるが、装置の寸法が予想より小さいことがわかり、大丈夫!ということになった(たぶん)。 この装置とも、あと3回でお別れ。次に会うのはいつだろう。ぜひまた会いたい。 樺澤氏、土井さんたちの打ち合わせにちょっとおじゃまする。芝居の話をいろいろうかがって、一足お先に失礼する。 あと3回、いい芝居にしよう。
2006年04月24日(月) |
「ミッシング・ハーフ」6日目 |
暖かい日、いや、暑いくらいだ。いただいたお花を家の玄関に活けている。篠原さんからもらった赤いバラがいい香りなのだけれど、母親がご近所からいただいた芍薬がどかんと咲いてしまい、玄関はもう芍薬の匂いしかしない。もう4月も終わり。春先の花から、初夏の花へと季節はどんどんうつっていく。
中日折り返して、平日。夜の公演。ゆっくり劇場入り。 いいかんじで芝居が進んでいって、途中で、うわっと思うことがあった。「モロッコ」の話をしているところ。なんとか元に戻すが、冷や汗をかく。膨大なセリフを語るこの芝居で、真っ白になったことは一度もないのだけれど、今日はそれに近いかんじだった。どきどきするが、立ち直れたことにほっとする。 終演後、平田さん、伊藤さんにごあいさつ。WS友達の島田さんにも。感謝。 帰りは、問題の場面のセリフをさらう。ぶつぶつと。 あと4回の舞台、大事につとめたい。
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