せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年05月07日(日) 写真撮影@葛飾 「罠の狼」稽古3日目

 朝10時に京成線四ツ木駅集合。
 「ようこそ葛飾へ!」と樺澤氏、カオルさん、東くん、早瀬くんを迎える。同じ葛飾出身のまみぃに「四ツ木に降りるの十五年ぶり!」と言われる。
 綾瀬川と荒川の間の河川敷、このあたりでは「中土手」と呼んでいるあたりが今日の撮影場所。雨がぽつぽつ降ってくるので、さっさと撮ってしまおうと歩き出す。
 小林くんも合流して、早速、学生服に着替えてもらう。
 早瀬くんと東くんは黒の学ラン、小林くんは「贋作・Wの悲劇」の深町くんで来てもらった紺のサージ。
 コスプレじゃなく、ほんとの学生っぽくなった。感動。
 古着を借りてきたので、今のシルエットよりもやや肩がマークされた昔なかんじが、いい効果を出している。みんなで「萌え」とか「イカす!」と言い合う。
 雨が降ってきたり、日が射したり、風が吹いたりするなか、河川敷、そして川べりでの撮影を2時間ほどかけて終える。
 プロフの写真をさっくり撮って、今日は終了、解散。

 澤氏と駅前の喫茶店で打ち合わせをしたあと、「罠の狼」の稽古場へ。
 前回の続きで、後半の気持ちの流れを確認。あかねちゃんに持ってきたもらったベトナムコーヒーを入れながらの芝居をいろいろやってみる。
 つながった線はみえているのだけれど、まだたどれない。頭ではわかってるんだけど、気持ちがそうは思っていけない、そんな段階。
 夜の稽古は「ファーム」組。しばらく残って、見学させてもらおうかと思ったのだけれど、どんどん具合が悪くなっていくような気がするので、お先に失礼する。
 意地悪のように乗り継ぎの悪い電車にいらいらしながら、ようやく帰宅。
 熱を計ったら、38度3分。あらら。
 クスリを飲んで、すぐ横になる。


2006年05月06日(土) 「ゆずてん」@アドリブギャラリー 「罠の狼」稽古2日目

 明日の撮影のロケハンに行く。
 京成線の四ツ木か八広か。またはずっと荒川を下って、新小岩or平井かなと思ったのだけれど、川下は川幅が広くなりすぎて、ちょっとイメージじゃないので、やはり四ツ木ということに。
 僕が生まれ育ったのは京成立石と四ツ木の間の線路際の家。
 すっかりきれいになった四ツ木駅、でも駅前の何もなさは相変わらず。
 緑がいっぱいの河川敷と、駅からのルートを確認。川下の葛飾ハープ橋が映りこむと地域が限定されていいかもしれない。
 あとは雨が降らないことを祈るだけ。

 浅草橋のアドリブギャラリーに「ゆずてん」を見に行く。
 古い友人の漫画家、須藤真澄さんがうちからもらっていってくれた仔猫ゆずくんが去年亡くなった。
 そのゆずのお別れ会というか、イラストやいろいろを展示する集い。
 会場は、ゆずのイラスト、原画、ぬいぐるみその他でいっぱい。せまいスペースは大勢の人で大盛況。
 ゆずはほんとうにみんなに愛されてるんだなあととてもうれしくなった。
 須藤さんとごあいさつ。直に会うのは何年ぶりだろう。
 「ゆず」には僕も「信ちゃん」として登場しているのだけれど、そのページの原画も展示してあった。とっても性別不明のキャラで、「♂」とていねいに描いてもらってる。
 須藤さんに「信ちゃんが来てるって大声で言っていい?」と聞かれたのだけれど、「それはちょっと……」と辞退する。
 印刷されたものよりもずっと鮮やかであたたかい原画と、それをいい笑顔で見ている大勢の人たちの横顔を見た。
 須藤さんのサイン会の時間になったので、置かれてあったノートにお先に失礼しますと、記帳して外へ出る。
 休日の浅草橋は、ひと気のない昔ながらの街並。高校に通うために地下鉄とJRを乗り換えていた街としてなじみがあるせいか、いつ来ても、懐かしさばかりをかんじてしまう。不思議な街だ。

 「罠の狼」の稽古。水木さんが帰ってきての最初の稽古。
 どんなふうな稽古になるんだろうとわくわくどきどきしながら。清木場さんとの自主稽古は、それはそれとして、今日、思ったこと、やってみようと思ったこと、演出されていくことを、たんたんと積み上げていくかんじ。
 稽古場に入ったとたん、おそらくは前の団体の汗くさい空気にやられてしまう。清木場さんと二人で、くしゃみと咳をいつまでもしている。自主稽古で大声を出したのがいけないのかなと言い合いながら。
 本番の舞台の配置を確認して、どんどん立ち稽古をすすめる。セリフを言うことに一生懸命になってしまって、いつ清木場さんを見るのか、どう認識するのかが、うまく組み立てられない。
 これからの稽古はたぶん、そんな気持ちの流れをからだになじませていくことが、大きな課題になるんじゃないかと思う。
 水木さんに、ここはどういうことなの?と思うことを、どんどん聞いていく。なかなかつながらなかった線がだんだんみえてきた。

 夜、明日の撮影のうちあわせをいろいろ。
 NHKで「宮廷女官チャングムの誓い」を見るが、チャングムとハンサングンが受ける仕打ちのあまりの理不尽さに見ていられなくなる。
 風邪を引いたことは間違いがないので熱を計ったら、37度4分。やっぱりねえというかんじ。喉も痛いし、カラダのあちこちもぎしぎしいう。治りかけたぎっくり腰も、また違う方面から痛くなってる気がする。


2006年05月05日(金) 水の芝居

 撮影のための衣装のうちあわせをまみぃと。
 「ムーンリバー」は下町の中学生がいっぱい出てくる。フライヤーにも学生服が登場する。
 高円寺の古着やさんが学生服のレンタルをしているということで、今回はそちらにお願いすることにした。本番用はまた改めて、あちこちから拝借することになりそうだけれど。
 昼間、たまりにたまっていた洗濯物をようやくかたづける。洗濯物を持って、2Fのベランダに上がるのに一苦労。それでも、部屋がずいぶんかたづいた。掃除をしてついでに、テープを巻き込んでしまったきりのビデオデッキ(テレビデオ)の修理に挑戦する。裏側からねじをずいぶんはずして、中身まるだしという状態までは行ったのだけれど、肝心のビデオデッキ部分は、さらにまた複雑なハコのなかに入っていて、ギブアップ。結局、居間のビデオデッキをもってきて、むりやりつなげる。
 大門伍朗さんにいただいた「下谷万年町物語」のビデオをようやく全部見ることができた。稽古の間にいただいて、なかなか全部を見ることができなかった。
 なつかしい舞台。唐十郎作、蜷川幸雄演出。当時のパルコ劇場の舞台に何十人ものオカマが登場する猥雑なそして繊細な物語。渡辺謙の初舞台。大門さんは、オカマのお春の役で、堂々とそして、いじらしい芝居が当時から大好きだった。改めてみて、細かいあちこちを記憶とすりあわせてみた、そんなかんじ。
 浅草のひょうたん池が舞台上につくられていて、人物は本水をばしゃばしゃさせて登退場する。
 今はもうない浅草のひょうたん池。今はROXの裏あたりの広場になってるんだと思う。水がらみの芝居のイメージが、「ムーンリバー」にもつながっていくような気がする。
 唄って踊る李麗仙、ラストシーンの唐十郎のモノローグ。そして、エンディングの水をつかった演出。生で見た高校生のときとは違った涙を流す。おもしろい芝居だなあとあらためて思った。


2006年05月04日(木) 調べもの

 昼間、「ムーンリバー」ための資料をいろいろ読む。ネットでいろいろ調べてみたのだけれど、一度、やっぱり「葛飾郷土と天文の資料館」に行ってみたほうがよさそうだ。
 江戸から明治にかけての台風の被害はあちこちに出ているのだけれど、昭和の台風と、そのための治水についてのあれこれは、やっぱりちゃんと調べないといけなさそうだ。
 記憶の中にある、台風の記憶を、ちゃんといつの何年というふうに確定したい。
 ついでに荒川のことも調べてみる。正確には荒川放水路。大正から昭和にかけて、掘られた人口の川。
 子供の頃から当たり前のようにあったので、天然の川だとばかり思っていた。高校もすぐそばでいつも見ていたのにね。
 水害がつづくので、つくられた川なんだそうだ。
 それと、もう一つ、「鐘ヶ淵」についても調べている。川に沈んだ鐘というのがなんだかちょっといい話なような気がして、地名の由来から岡本綺堂の短編小説まで、いろいろあたった。
 場所としては、隅田川の少し上流、千住あたりのお寺の鐘が沈んだということらしい。期待していた色っぽい話はあまりなく、ちょっと残念。でも、なんだかおもしろそうな気もするので、モチーフとしてとっておくことにする。
 洪水の話といえば、ずっと前から泉鏡花の「照葉狂言」を芝居にしたいなあと思っていた。水の記憶がよみがえる世界観をたしかめたくて、ひさしぶりに読み返してみる。
 日曜日の撮影のための連絡をあちこちに。
 フライヤー用の写真の撮影。まだ余裕があるかと思っていたのだけれど、撮影をお願いする方のスケジュールとデザインの日程を考えると、今度の日曜ということになってしまった。
 「ミッシング・ハーフ」を見に来てくれて、プロフィールを預けていってくれた東(あがり)じゅんぺいくんと電話で話す。フライングステージの芝居に出たいと言ってくれた彼。
 「ムーンリバー」への出演をお願いする。大学を卒業したばかりの22歳。中学生をやってもらいたい。日曜の撮影にもきてもらうことになった。晴れるといいな。


2006年05月03日(水) 「罠の狼」稽古1日目

 6月に客演するラ・カンパニー・アン「罠の狼」の稽古初日。
 今日は、ファーム組のあかねちゃん、津崎くんと、エクレア組の清木場さんと僕、4人の自主稽古。
 広い和室の隅と隅に分かれて、それぞれの読み合わせをあれこれやってみる日。
 前回の顔合わせのときは、おそるおそる探っていたテキストに、今日はどんと立ち向かってみる。
 ここはどうなんだろう?という疑問をお互いにぶつけて、読み合わせが、なんとなく立って動いてみることになり、つまりは、いろいろやってみた。
 劇中の人物と僕の共通点を話したり、清木場さんの話を聞いたり、おしゃべりもたくさん。
 自主稽古なんて時間を持て余してしまうんじゃないかなという心配は全くの杞憂で、時間までみっちり。
 津崎くんとは、何年か前のワークショップで会って以来。和室にいたときは気がつかなかったけど、外に出たら、背の高さにびっくりしてしまう。
 僕は、「ミッシング・ハーフ」とは全然違う芝居、世界、役柄、セリフにややどぎまぎ。
 顔合わせで読み合わせをしたとき気がつかなかったのは、あのあと、川野万里江が僕の中にしみてきたということなんだろう。
 駅までの道をおしゃべりしながら歩き、地下鉄でもおしゃべり。
 今度、津崎くんに会うのは合同稽古のとき。それまでに、今回の芝居が僕の中にどんなふうに入ってきているんだろうか?
 新宿で友人と会って軽く食事。終電で帰ってくる。さすがにGW、人はみんなのんびりした顔でいる。


2006年05月02日(火) 仕事の日

 連休前に仕上げておきたいものを片付けに仕事に行く。医者に寄ってから。腰は、昨日よりはラクになった気がするが、やっぱり歩くのはつらい。
 たまっていたメールの返事をようやく出す。
 明日からは「罠の狼」の稽古が始まり、日曜日には「ムーンリバー」のフライヤー用写真の撮影。あちこちに連絡をする。6月の1日には、年末のgaku-GAY-kaiの会場予約をしなくては。ああ、もう今年もそんな時期になってしまった。 
 昨日の真夏日が嘘のような寒い日。午後からは雨が降ってきた。仕事帰り、北千住駅の構内にあるドトールでひとやすみ。腰をいたわりながら。
 明日が千秋楽の鹿殺し「サロメ」は、ごめんなさいすることにする。長い時間じっと座っているのは、ちょっと無理そうだ。当日券で行こうと思っていたのだけれど、残念だ。誘ってくれていたアルピーナさんにメールで連絡をする。


2006年05月01日(月) 引っ越しのお手伝い

 寝坊をしてしまう。今日はメジャーリーグの事務所の引っ越しのお手伝い。9時に来れますか?という樺澤氏のメールを見たのが、9時半。あわてて飛び出すが、なかなかたどりつけない。駅の階段をのろい、エレベーターの場所のわからなさにいらいらしながらようやく巣鴨へ。
 竜太郎さんと佐久間さんにごあいさつ。一緒に荷物をトラックへ積み込む。午後から仕事がはいっているので、1時間ちょっとのお手伝い。笹部さんにご挨拶して、お先に失礼する。
 今日は、夏のような暑さ。地蔵通り商店街はおばあちゃんでいっぱい。その中の誰よりも、よろよろ歩いている自分がなさけない。
 ようやく、たどりついた仕事場。仕事にもなかなか集中できない。イスにずっと座っていることができない。キーボードを叩くのもいつもとは違う力の入れ方をこころがける。ぼくは、けっこうキータッチの力が強い方だ(字を書くときの筆圧も強い)。だんだん腰がつらくなってくる。もっとかろやかに指先だけでやっていければいいのに。そうしたら、文体も変わるんだろうか? などといろんなことを考える。


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