せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年07月31日(月) |
「ムーンリバー」稽古16日目 |
稽古場に早めに入って、取材のための準備。「演劇空間」というサイトの取材。写真もありということなので、いつものプリーツプリーズの稽古着に、メイクもしてしまう。 いつもはメイクしないんですよと断ってから、芝居についてのインタビュー。さくさくと終了。稽古開始までの時間、台本をすすめるため、近くのコーヒーショップへ。夜の稽古風景も写真に撮りたいとのことなので、衣装とメイクはそのまんま、女装で外に。 ショーウィンドウにうつるのは、モノトーンのプリーツプリーズを来た、大柄なおばさんだ。いるよなあ、こういう人と自分でも思ってしまう。 すっぴんで何度も行っているその店でも疑われることなく(もしくは、そっとしておいてもらったか)、パソコンを広げる。となりに座った高校生くらいの子供のお母さんが、僕の5割増しくらいのボリュームのどかんとしたマダムで、まだまだダイジョブと思ったりもする。 夜の稽古で、教室の場面の演出を変える。机をまずは横並び二列にしていたのを、中央の円形をはさんで上手と下手に分けた。実際にはありえない空間の処理。ここはどこなの?と思うことなく、こうした方がこの空間には合っているはずだ。 芝居もさらにバカバカしさが加わって楽しくなった。 鐘ヶ淵について話すこの場面は僕がやりたい放題できる数少ない場面。その合間の羽田さんとの細かいやりとりが地道に楽しい。
2006年07月30日(日) |
「ムーンリバー」稽古15日目 |
午後の時間帯は自主稽古をお願いして、台本を進める。 夜は小返し中心の稽古。お茶の間のシーンをていねいにつくっていく。いろんな発見が楽しい。 帰り、三枝嬢と巣鴨駅前で待ち合わせ。ジョナサンで今回の僕の衣装の相談に乗ってもらう。大きいサイズもばっちりの通販のカタログを前に、79年的にOKな、僕が着ても大丈夫なものを選んでいく。3ポーズを決定して、ばたばたと終電で帰ってくる。
2006年07月29日(土) |
「ムーンリバー」稽古14日目 |
午後の時間を2Fのサロンで台本を進めながら、客演の舞台で稽古中の大木裕之さんに声をかけられる。おひさしぶりだ。 ジュネの「女中たち」をもとにした舞台だそう。大木さんの舞台姿、ぜひ拝見したいと思う。 東くんの芝居の質感がどうもざらついているような気がして、こまかくダメ出しをする。 乱暴な芝居をするのと乱暴に芝居をするのとは違う。 粗雑なキャラクターをていねいにつくっていってほしい。 芝居の本文ではなくて、それに付随して発生するノイズで芝居をしようとしているといったらいいだろうか? 教室の場面のざわざわした気分が、僕にはとてもつらいことがわかる。芝居とは別のところで。そのことが大きな発見だ。 今日は隅田川の花火大会。稽古場の窓から、遠くに上がる花火が小さく見える。創造舎のある巣鴨という場所が具体的にわかったような気持ち。こんなに近かったんだ。 今日も越谷で自主缶詰。
2006年07月28日(金) |
「ムーンリバー」稽古13日目 |
昼間、劇作家協会で、富士見丘小学校の打ち合わせ。1年目の記録DVDについて。芝居でいっぱいいっぱいなところに、また新しいいろいろがのっかって、コップの縁からこぼれてしまいそうな、そんな気分。 稽古は、大門さん演ずる不思議なキャラクター、お柳さんが初登場。のっけからトップギアでものすごいことになっている。 ややリアルな等身大の芝居に突然登場するこのキャラクターがちゃんと成立するんだろうかという心配はふっとんだ。成立するもなにも、誰よりもどかんとそこにいるんだもの。安心して、これでいけると自信を持つ。 小林くんが、体調不良でお休み。心配だ。 台本を進めるため、越谷で自主缶詰になる。
仕事帰りの北千住がすごい人だ。今日は花火大会らしい。 もう始まっているらしく、遠くからドーンという音が聞こえてくる。 会場は駅からずいぶん歩いたところなので、初めから行ってみようという気にはならず、駅前のオーロラビジョン(?)に映る花火を眺めている大勢の人を眺める。これっておもしろいんだろうか? まあ、何もないよりはましだけれども。 札幌の「二人でお茶を TEA FOR TWO」の情報をHPにアップする。「ムーンリバー」の次の舞台。まだ、終わってないのに、もう次があるというのは、やや気がせかされるようだ。まあ、再演だし、大丈夫だよねと思いながら、まずは「ムーンリバー」だと気持ちを引き締める。 昨日今日と稽古がなかったせいで、台本というか「ムーンリバー」の人たちを距離を持って見ることができるようになった気がする。 いつもの「そうだよね」と人物に入り込んで書く描き方とは違う描き方ができるんじゃないかと思う。
今日は稽古が休み。台本から離れて、少し頭を冷やすかんじの一日。 芝居と関係ないことをわざといろいろやってみる。 仕事先のたまってた仕事をかたづけ、家に帰ってからは部屋の掃除に熱中する。 気分転換して、また台本に戻ってみる。
2006年07月25日(火) |
「ムーンリバー」稽古11日目 |
朝、小池さんとタカツに小道具の下見に行く。 久しぶりに降りた国領の駅。北口の駅前がすっかり再開発されていてびっくりする。 最小限の小道具を演劇担当の中村さんと一緒に選んでいく。 大事な小道具になるラジオがいくつも置いてあるコーナーで、小池さんと二人、「懐かしい!」と声を上げる。 今はもう見かけない、どかんとしたラジカセや、ガシャンとボタンを押すタイプのデッキがたくさん。持ち運びができる大きさで、いいかんじに古びたものを選ぶ。 その後、小池さんと美術の打ち合わせ。確認することあれこれ。 新宿で開催中の「Rainbow Arts 7th Exhibition 2006」に顔を出す。 毎年夏の恒例イベント、TLGPフレンドリーなアーチストが、それぞれのこだわりの作品を展示するイベント。今年もまた一人一人いい意味でバラバラな個性がステキに輝いている。ほっとひといきつきながら、作品を拝見。元気とパワーをもらった気分。 その後、買い物をして、ファミレスでパソコンに向かい、稽古場へ。 汗でどろどろになっている自分に気づき、そうだお風呂に入ろうと思う。稽古場近くの銭湯にえいっと行ってしまう。 前を通ったときにどんなところだろうねと話した銭湯。タオルとバスタオルを借りて、石鹸とシャンプーを買う。湯船につかるのはほんとうにひさしぶり。それでも落ち着かない気持ちで、20分ほどでわたわたと出て、稽古場へ。とりあえず汗は流せてほっとした気持ち。 今日は、大門伍朗さんが初めて稽古場に来る日。手術の後のコンディションはどんなだろうとドキドキしながらお迎えする。 登場した大門さんは、樺澤氏からの情報よりもずっと元気で、ほんとにうれしくなる。お願いしたい役柄の説明とさっそく衣装の打ち合わせ。舞台装置の上り下りは可能かどうかなど、一気に話す。 全員が揃って、稽古開始。まず2場。代役でやっていた部分を本役でいくと、やっぱりいろんなことが見えてくる。 いいかんじにできつつある2場に続いて1場。まこちゃんこと羽田さん、東くん、それに僕は、2場のみんなのノリからパワーをもらって、芝居の息を探っていく。楽しみながら。 稽古のあと、着替えている途中で拓ちゃんに質問されて答えていたら、みんなに「ズボンはいてから話しなよ」とつっこまれる。二人とも、着替えの手を止めて、パンツ一枚で話し込んでいた。 わたわたと稽古場を出て歩いていたら、下はジーンズに着替えたのに上は稽古着のTシャツのままなことに気がつく。シャツをおいてきてしまった。 Tシャツ一枚で外を歩くのは久しぶり。気がついたとたんになんだか気恥ずかしくなってこそこそと帰るが、最寄り駅を降りた途端に雨が降り出した。濡れたってへいちゃらとぐんぐん自転車を漕ぐ。
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