せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEX|past|will
2006年08月07日(月) |
「ムーンリバー」劇場入り |
ポケットに9時入りで朝から仕込み。ポケットはおなじみの劇場だけれど奈落を使うのは初めて。舞台、照明、音響と同時進行の慌ただしさで、舞台がどんどん立ち上がっていく。 荷下ろしや舞台づくりを手伝っている自分がとても新鮮。前回の「ミッシング・ハーフ」は、みんなおまかせして、ひたすらセリフを入れていたんだった。 となりのモモの稽古場を借りて、足りない部分の稽古をする。まずは、拓ちゃんと早瀬くんの11場の稽古。エチュード的なこともいっぱいしながら、相手にかかる言葉で芝居を積み上げていってもらう。 続いて、10場の土手の場面。動きの多いシーンを緻密に作っていく。 合間に呼ばれてポケットに行ったら、大きな月が登場していた。思わず拍手する。すごい迫力。直径6尺は大きすぎるんじゃないかという意見もあったけど、この大きさじゃなきゃ月をかざる意味がない。しっかり高さのある階段と中央の円形の二重もきっちりできあがった。 夜は明かりづくりの合間に舞台にあがらせてもらう。階段の多い今回の舞台装置は、まず役者が慣れることが大事だ。今日は舞台は使えないというのを無理を言って開放してもらった。一日の差は役者にはとっても大きいはずだから。 これまで平面の稽古で、イメージしていた高低が実際にある。正面から見たかんじのダイナミックなかんじがおもしろい。平面なはずの保健室や教室、それに川原での芝居のし勝手を確認する。つづきは明日。
2006年08月06日(日) |
「ムーンリバー」稽古22日目 |
最後の稽古。 10時集合で、2人組のウォームアップから。といっても、ただおしゃべりしながらマッサージしあう。 昼過ぎまでかかって、4場までの小返し稽古。休憩のあと、5場から続き。 5場のノイズいっぱいなざわざわした空気感を6場以降にひきずらないためにはどうしたらいいか。6場をていねいに始めていく。 16時から当日の場内アナウンス等の録音。 その後、最後までを小返しして、休憩。 大門さんが差し入れで焼きそばとパン、それにおでんを持ってきてくれる。焼きそばパン(しょうゆ味)がとってもおいしい。 19時から昨日に続いての通し稽古。あせらずに、やりとりをていねいに積み上げていこうと確認してから。 しいたけをさん、森川くん、岩井さん、それに諏訪さんが、来てくれた。初めての観客として、短い間だけど見ていってくれた郡司さんの笑い声が、僕らの表情をやわらかくしてくれた。 昨日の迷走、暴走盛りだくさんの通し稽古とは、かなり違った印象のしっとりと落ち着いた芝居になった。昼間の小返し稽古がきっちり反映した結果だと思う。 ていねいに話し合いをした最後の場面を見ながら、聞きながら、ちょっとほろっとする。 撤収をあわただしくして、トラックに荷物を積む。大道具を積んだトラックにまずは。 解散したあと、マミィと二人で両国の倉庫へ。森川さんにご挨拶。 トラックを待って、しばらく倉庫内でおしゃべり。 マミィが終電で帰り、樺沢氏運転のトラックに荷物を積んで、家まで送ってもらう。車内で芝居の話あれこれ。 途中、話に夢中になりナビしそこない、やや遠回りになるルートへ。あれ、この橋は何だろうと思ったら、四ツ木橋だった。まさに今回の芝居の舞台になっている界隈。 樺澤氏に「大地が走ってるのはこのあたりだよ」と話す。なんだか不思議な偶然。誰かに呼ばれたような、そんなかんじ。 明日は劇場入り。仕込みと同時進行で稽古できるよう、モモの稽古場を借りてある。もっと作り上げておきたいところを重点的にもっともっとやってみようと思う。 とても楽しみな劇場入り前日だ。(もう朝だけれど)。
2006年08月05日(土) |
「ムーンリバー」稽古21日目 |
エピローグから。とにかく稽古する。 ギターを弾きながらにしやんが歌う「ムーンリバー」、聞いているみんな。不思議な場面ができあがった。よし、だいじょうぶ。 新しい11場の稽古もやって、夜は通し稽古。とにかく通す。 スタッフのみなさんの前でえいっとばかりに。 荒れた教室の場面の後、芝居がみんなそろってラフになった。みんなそろってというのがおもしろかった。チームとしてはとてもいいことだと思う。 あとは、どう場面ごとの気分を変えていくか。 今日はじめてわかった「ムーンリバー」という芝居全体がみんなのなかにどう落とし込まれていくかで、芝居はどんどん変わっていくだろう。残り少ない稽古でいいものに仕上げていこう。だいじょうぶだ。 明日の予定をどうするかと話す。樺澤氏は僕が役者として舞台に立つため二度の通し稽古を提案。台本を放して稽古しなきゃと。でも、それよりも小返しをていねいにしよう、今日わたったばかりの台本なんだからということになった。 その話し合いの中、大門さんが「この子(関根)はだいじょうぶ。初日にはなんとかなるから」と言ってくれる。「だいじょうぶ」と言ってもらったこともうれしかったけど、「この子」と呼ばれたこともほっかりとうれしい。 はじめて、みんなと飲みにいく。中華屋さんorさくら水産に向かうみんなと別れて反対側のバス停に向かっていた西巣鴨の交差点を、同じ方向に渡る。 ボリュームのある中華とビール、そしてみんなと明るく話せている今に感謝。 話しこんでしまい終電を逃す。西巣鴨のホームに降りた時点で判明。ノグとさっこちゃんと別れて地上に戻り、西新井までタクシー。いつもはバスで帰る道をそのまんま。気持ちのいい運転手さんのおかげで奇跡的に終電に間に合う。
2006年08月04日(金) |
「ムーンリバー」稽古20日目 |
10場の土手のシーンと11場の改訂版を書き上げる。できあがったシーンをみんなに配って、自主稽古をお願いする。僕は続きをひたすら書くが、もう終わりは見えた! 稽古後、12場のエピローグを今夜中に書き上げることと、樺澤氏に缶詰にされる。まずは、巣鴨駅前のデニーズ。ここで終わらなかったら、メジャーリーグで徹夜だからねと。 みんなと別れて、巣鴨までタクシー。デニーズでパソコンに向かう。書きながら楽しくてしかたなくて、樺沢氏にどうしたのかと怪しまれる。 登場人物一人一人の決着をつけながら(成仏させながら)ラストに向かう。ラスト「ムーンリバー」を歌いながらのにしやんと早瀬くんのやりとり、最後のセリフを書いて、ト書きを書き終えて、脱稿。やった、終わった! 時刻は0時過ぎ、まだ終電に間に合う。 データを樺沢氏に渡して、まずは帰ることに。まだやらなきゃいけないことがいっぱい。当日パンフの原稿にとりかかる。 夜中、11場を書き直すことに決める。すぐにでも書き上げてしまいたいのを、少しだけ眠らせてもらう。どうしたいかはわかってる。朝起きて、えいっと一息に書き上げた。
2006年08月03日(木) |
「ムーンリバー」稽古19日目 |
8場の保健室。たぶん、一番つらい場面。羽田さん演じる、石坂先生が、東くん演じるクラスの問題児=いじめっこの望月を殴るシーン。 今回の「ムーンリバー」では、望月が大地をいじめるシーンは舞台上に登場しない。彼の乱暴さは直接ではない登場のさせ方をしているのだけれど、この生徒を殴る教師の場面は、そのものずばり、舞台上に登場させたかった。 羽田さんには、損な役回りでごめんなさいと言い訳しながら。 東くんの望月の役が、当初のプランよりどんどん大きくなっていく。続く10場の土手の場面の構成を再検討。 11場の阪口さんと早瀬くんのシーン、まずは書いてみたもののしっくり来ない。もう少し考えよう。この芝居一番の山場。
2006年08月02日(水) |
「ムーンリバー」稽古18日目 |
自主稽古をお願いして、僕は2Fのサロンで描き続ける。 喫煙所がとなりにあるので、一息ついたみんなが入れ替わり立ち替わりでやってきてくれる。あんまり話し込むと執筆の邪魔になると気を遣ってもらっているのに、かえって僕の方がいろいろ話がしたくて呼び止めてしまう。 ギターの練習をさっきまでしていたにしやん、まだまだ大きな出番がなくって、こいつはほんとはどんなヤツかよくわからない阪口さん、文字通りセリフでいっぱいいっぱいな早瀬くん、まだ人物が一つにつながってこない記生ちゃん。 喫煙室で一服している記生ちゃんのところに行ってちょっと話し込む。芝居の話をいろいろしながら、「こんなに台本が遅くてみんなに迷惑かけてるのに、僕は楽しくしてしかたないんだよね」と真顔で言ったら、「もう!!」というかんじではたかれる。というか、つっこまれる。でも、ほんとうにそうなんだもんなあ。 こんなに楽しい稽古ってどうなんだろう。自主稽古をお願いしてばかりで、僕は台本にむかってる今、こんなことを思うのもどうかと思うけど、ほんとにそう思う。 おもしろい俳優が楽しく楽しい芝居をしてくれている。僕は、いい本を書いて、きちんと演出すればいい。こんなしあわせってあるだろうか。 でも、少しでも早く書き上げないと。それは間違いない。初日は一週間後。
2006年08月01日(火) |
「ムーンリバー」稽古17日目 |
昨日の続きの小返し稽古。役者衆には早めに上がってもらって、21時からスタッフミーティング。 音響、照明についてのいろいろを相談する。 いつものスタッフ、さっこさん、さやかちゃん、あゆみちゃん、それに美術のれいさんと女性ばっかりと一緒に打ち合わせ。 川面を表す照明をどうするか、奈落の仕込みをどうするか、などなど、検討することがいっぱい。 完成してない台本のあるところまでを渡して、これからこうなりますと説明する。早く台本を仕上げないと・・・・
|