せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEXpastwill


2006年11月25日(土) 「春謡会」&「シェイクスピアの女たち」稽古2日目

 マミィこと石関準くんが出演している、新舞踊、春謡流の発表会「春謡会」@浅草公会堂へ。
 にしやん、あきやん、三枝嬢、トシくん、宇田くんと合流。櫻ちゃん、カルトくんと並んで、2番目の演目で登場するマミィの「岸の柳」を拝見。
 柳を描いた白地の着物の芸者姿が粋なこと。おお、踊ってる!という感動がいっぱい。前から二列目のかぶりつきで、きっちりした踊りを堪能する。
 挨拶に行くタイミングを逃して、楽屋までうかがうことに。次の出番の仕度をしているマミィに挨拶。
 次は、菊池寛の「藤十郎の恋」をもとにした舞踊劇。マミィは、坂田藤十郎の相手役の女形、霧浪千寿として登場。しょっぱなから藤十郎の思い出を語っている。芝居がたくさんだ。大阪弁かつ女形という大変な役を、ほんとによくやってたと思う。見ながら、昔読んだ、赤江瀑の小説「夜の藤十郎」をちょっと思い出した。
 劇中では、おさん茂兵衛の道行きの踊りも。心中のやりとりが細かくふりつけられていて見事。ここも芝居気がたっぷり。その後の空の舞台での芝居(これもおもしろかった)までを見て、お先に失礼して稽古場へ向かう。
 「シェイクスピアの女たち」稽古2日目。今日は昨日よりも少し離れて座って読んでみる。
 なんとなく仕草がついたり、立って動いたりとどんどんおもしろくなってくる。芝居はやりとりだなあとうれしくなる。一人では絶対に出てこない音が自然に生まれてくるんだから。どうやろうというよりも、ちゃんと聞くことを心がける。
 リーディングとはいえ、いつもの芝居の稽古と全く同じだ。まっすぐに届いてくる松本さんのセリフ、今回が初めて一緒にやりとりしているのが不思議なくらい楽しい九美さんとのかけあい。去年のワークショップのときはモノローグ中心だったので、シェイクスピアのセリフをていねいにキャッチボールできていることが、楽しくてしかたない。
 昨日の反省で、セリフをどう言うかに夢中になってしまうと言葉が相手にとどかないと思ったので、今日は、きっちり受け渡しをすることを心がける。
 「リチャード三世」のアンとグロスターの場面、アン役の松本さんとの丁々発止のやりとりがほんとにおもしろい。夫を殺した男に愛を告白されて、受け入れてしまう(受け入れざるを得ない)女心と、そこまで持っていく見事な口説き文句の連続。
 僕が今回演じるのは、ファーディナンド(テンペスト)、グロスター(リチャード三世)、オーランドー、シルヴィアス(お気に召すまま)、マルヴォーリオ(十二夜)、使者、医者(マクベス)、ライサンダー、オーベロン(夏の夜の夢)といった役々。どの役ともみんなはじめましての気分でおつきあいしている。
 やっていて思うのは、このいろいろな役がなんとかやれてしまっていることの不思議だ。前はこんなことできなかったなあと思う。王子役はできたかもしれないけど、グロスターのような役は、僕の手の内ではないと思っていた(ファーディナンドをやっていると「あ、この役知ってる」と思えてくる。演じたことはないけど)。もちろん、楽々できてはいるわけではないのだけれど、そんなに遠くないところに来ているんだなあと思う。トシをとったのかもしれない、もとい、トシを重ねたんだと思う。
 今日は、芝居の話をあれこれおしゃべりする時間もたくさん。その後の稽古もいいかんじに盛り上がったので、これからは、いろいろしゃべる時間を持ちましょうと古川さんに言っていただく。
 帰り道、歩きながら、セリフのことを考えていて、つい、グロスターの第一声「待て!」を声に出してしまう。前を歩いていたおじさんが立ち止まって振り返った。
 「すみません」とあやまって、入らなくてもいいコンビニに入る。
 練習しようとしてしゃべるときは加減をするのだけれど、思いついたら声に出てしまったので、一番いい声だった。気をつけないと。


2006年11月24日(金) 「シェイクスピアの女たち」稽古初日

 久しぶりに降りた東陽町の駅が、すっかり様変わりしていてびっくり。十何年ぶりだろうか。
 演出の古川さん、構成の吉田さん、出演の松本紀保さん、有希九美さんにご挨拶。吉田さんから、テキストについてお話いただいたあと、さっそく読んでみる。
 ついつい先に先にと急いてしまう。それでも、家で一人で読んでいたときは全然違う、3人で作り上げていくかんじが、とてもおもしろい。
 いろんなキャラクターを渡っていくそのダイナミックなかんじも楽しませてもらう。
 二度目のグロスター(リチャード三世)は、少し、余裕をもって読んでいくことができたかもしれない。
 しゃべりなれないセリフをいっぱいしゃべって、頭がいっぱいになっているような帰り道。松本さんとおしゃべりしながら、カミングアウトも。
 平田さんからメール。警備員役が10人の予定が、どうしてもしぼりこめず11人になっているのだけれど、大丈夫ですか?と連絡をもらう。すぐに「大丈夫ですよ」と折り返した。みんなの「やりたい度」が見えてきたのがおもしろい。警備員役、もう少しふくらましてみようと思う。
 夜、今日の授業で決まった全配役が届く。おお、こうなったかと感想いろいろ。これで、全部の役の顔立ちが見えてきた。


2006年11月23日(木) 書く日&予習の日

 一日、家にいて、台本にむかう。今日は書く日だ。
 明日から始まる「シェイクスピアの女たち」の予習も。初めましてのみなさんとどんな舞台ができあがるか、まだわからない状態だけれど、とにかく、できるだけのことはしておく。
 シェイクスピアのセリフは、去年のロジャー・リーズのワークショップ以来だ。あのときの続きのような気持ち、あの二週間がどう僕のものになったかをたしかめてみる、そんな気持ち。


2006年11月22日(水) オーディション

 富士見丘小学校演劇授業。今日は5.6時限を使ってのオーディション。篠原さんと健翔さんと一緒に、それぞれの場面を見せてもらう。
 今日は研究授業ということで、他学年の先生方も見守る中、希望する役を順に演じていってもらう。
 セリフをすでに覚えてきている何人かをはじめ、希望はしていないけど先生方からの推薦で(それと、人数あわせ)で登場する人たちも、2クラスの全員が、とてもみごとに演じてみせてくれた。
 見ているときは、台本ではなく、演じている人たちを見ようねという約束も、みんなが当たり前のようにできている。すばらしい。
 終わって、いいものを見たという気持ちでいっぱいになる。
 放課後、配役の会議。去年は、オーディションの後、全部の配役を決定しのだけれど、今年は、希望のあった役についてのみ、阿部先生、田中先生と検討して、決定していく。
 子供たちに何度も話したように、うまいへたではなく、全体のバランスとキャラクターを重視して、メインの役から決めていく。
 大人達の意見が対立することなく、ほぼ同じなのがおもしろい。迷ってしまうところもほぼ同じ。阿部先生、田中先生から、その子ひとりひとりについて伺いながらの検討作業。
 この役を希望してくれれば、もう即決定なのにおしい・・・という人が何人か。そういう人たちに僕たちとしては(大人たちとしては)、これをやってもらえたらなあ・・という推薦をさせてもらうことにした。
 5時過ぎまでかかって、なんとかひとだんらく。
 希望者が一人もいなかった役、希望したけど役につけなかった子供達については、あらためて先生方にオーディションをしていただいて決定ということになった。
 これまで名前だけだった台本の中の人物が、顔を持ってきた。約束したとおり、どの役もやりがいがある、おもしろい台本をしあげなくてはと、改めて思う。


2006年11月21日(火) パンとジャム

 仕事の日。
 帰りに、パン用の小麦粉を買ってくる。このところ、うちのホームベーカリーは、連日活躍している。寒くなってきたせいか。
 コーングリッツを入れて、やや適当な分量でセットするが、いいかんじに焼き上がってくる。
 ジャムをつくっている会社に勤めている弟がこのあいだ持ってきてくれた、大量のジャムを焼きたてのパンにつけて食べている。
 マーマレード、ブルーベリー。めずらしい白桃のジャムはとってもおいしくて、まっさきになくなった。
 ジャムを食べるようになってバターの消費量が少なくなった。お腹の調子もいい気がする。
 さすが健康食品。流行ってる理由がわかった。


2006年11月20日(月) 試写

 ドキュメンタリージャパンで富士見丘小学校のDVDの試写。宮校長先生、見米先生、大島先生、平田さんに見てもらう。
 感想と意見をうかがう、この間見たときには気にならなかったいろいろが、先生方と見ると急に違った見え方をしてくる。
 その後、篠原さんとお茶をしながら、打ち合わせ。今後のスケジュールについて。
 夕方から小雨が降り出す。傘がないけど、今日はとてもあたたかかったので、ぐいぐい歩いて帰ってくる。


2006年11月19日(日) 野性の夢

 おもいきり寝てしまう。このところの寝不足をいっきに取り戻したかんじ。
 この頃、枕元では猫が寝ている。
 猫の背中に耳を当てて眠っているのだけれど、この寝方はどうも夢見が悪いような気がする。夢の中で、人が刺し殺されて死んだりする。僕は手を下していないのだけれど、朝起きるとぐったりしていることが多い。
 眠りが浅いせいかもしれないが、猫の野性が僕にそんな夢を見せるのかもしれないなあとも思う。


せきねしんいち |MAILHomePage

My追加