せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年12月03日(日) リーディング「シェークスピアの女たち」千秋楽

 千秋楽。テキストを持って演じているので、左手がとっても疲れている。そういえば、白石加代子さんもどこかで「百物語は左手が疲れる」と言っていた。
 初日から4回目の舞台、松本紀保さんも有希九美さんも、毎回がとても新鮮ですばらしい。一緒に舞台に出ていて、わくわくする。
 せりふをおぼえての演技とはまた違うところで、毎回が真剣勝負なのだと思う。この違いがとてもおもしろく体にしみてきている気がする。
 終演後、客出しのご挨拶に出て、片付け。とおりをはさんだ向かいのワインバーで打上げ。ワインとおいしいお魚、楽しく打ち上げた。
 みなさん、おつかれさまでした。
 ご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました。


2006年12月02日(土) リーディング「シェークスピアの女たち」中日

 二回公演。昼間の舞台のあと、吉田さんに、「シルヴィアスをあまり馬鹿にしないほうがいいと思う」と言ってもらう。恋に一途なキャラクターをデフォルメして演じているのだけれど、やや「おば加算」になってしまっていたかもしれない。いきすぎたところを矯めて、ちょっと軌道修正。
 夜は、翻訳の小田島雄志先生が来てくださった。終演後、ごあいさつする。
 見にきてくれたみなさんに、外でわらわらとごあいさつ。いつもと違う関根信一、楽しんでもらえてるようでうれしい。


2006年12月01日(金) リーディング「シェークスピアの女たち」初日

 午後から劇場入りして、舞台稽古。
 その前に、楽屋のセッティングをしたのだけれど、一階の部屋を共同で使うことにした。着替えは二階でその都度ということに。
 それにしても寒い。ビルの裏手で路地の奥にある、古い日本家屋は、隙間風もはいってくるようで、暖房がなかなか効かない。床にむりやりなかんじでしかれた黒のリノもひんやりしている。
 それでも、舞台稽古を順調に終えて、本番の準備。
 合間にネットでやりとりしなくてはいけない用事があって、パソコンをもって、神楽坂の町を歩く。
 本番は、楽しく終了。
 リーディングもいつもの芝居と同じ、お客様を前にしてはじめてできあがる。おお、こうだったんだねと思うこともいっぱい。
 あと2日、3回、毎回を新鮮な気持ちで演じたいと思う。


2006年11月30日(木) 「シェイクスピアの女たち」稽古6日目

 稽古場での最後の稽古。最後に登場するオーベロンまでの声の配分がみえてきた。ライサンダーのキャラクターを少し変更。まっすぐな青年というあたりに。
 今日は、あちこち思いもよらないところでかんだりろれったりしてしまう。台本をちゃんと見ていないからかもしれない。覚えるんじゃなくて、きっちり読むことに集中しないと。
 帰り、古川さん、松本さんと三人で明日からお世話になる、神楽坂のシアターイワトに下見にうかがう。
 スタッフのみなさんは、仕込みの真っ最中だ。
 大久保通りに面した、大江戸線の駅のまん前、ちょうどいい大きさのきもちのいい劇場だ。
 楽屋は、劇場の裏手の一軒家。ほんとにふつうの家で、松本さんと二人で、あちこちの部屋をのぞいてまわり、わーとおどろき、おもしろがる。
 舞台につられた臙脂色のカーテンが、シェイクスピア感をもりあげてる。声の響きもちょうどいい。
 明日からよろしくお願いします。
 その後、神楽坂駅前のビルディでまみぃと待ち合わせ、うちあわせ、受けわたし、もろもろ。ひさしぶりに会って、その他のおしゃべりもたくさん。


2006年11月29日(水) 「シェイクスピアの女たち」稽古5日目

 今日もていねいにひとつずつの場面を稽古していく。
 やや時間が短いのではということで、場所を変えて午後7時まで延長。
 夕方の合間の時間に、近くのモスバーガー(西友の中)に、みんなで出かけてコーヒーや軽食を買ってくる。
 店の前につながれていた、ミニチュアダックスとしばらく遊ぶ。
 昨日から右足が痛い。土踏まずが妙に痛いなと思っていたのだけれど、ヘアムース(たぶん)の缶を足の小指に落としてしまった。使わないならしまっておけばいいのに、ほったらかしておいたのがいけない。
 足をひきずりながら歩いて、なんだかリチャードってこんなかな?と思ったりもする。
 帰りは、電車の乗換えがきついので、バスで亀戸まで出て、乗換えができるだけ少ないようだましだまし。


2006年11月28日(火) 「シェイクスピアの女たち」稽古4日目

 昨日どこにいったわからなくなったテキストのファイルをようやく発見。篠原さんにメールで送る。
 リーディングの稽古は、一日休みがあったので、ちょっと新鮮な気持ち。
 今日から立ち稽古。リーディングなので、大きな動きはないのだけれど、ほぼ実際の距離と位置関係で読んでいく。
 吉田美枝さんも来てくださって、冒頭からを小返ししながら。
 いただいたダメに沿って演じてみると、わあ、こんなところに行けたとびっくりするような展開になる。「リチャード三世」のやりとりがまたおもしろくなった。


2006年11月26日(日) 「シェイクスピアの女たち」稽古3日目

 今日もいろいろおしゃべりしてから読み合わせ。
 昨日、存分に動いたので、今日は、たとえばラジオドラマのように、声だけで組み立てることを心がける。
 昨日、松本さんと手をにぎったり、立ち上がったり、ひざまづいたりしたときの気持ちの変化があるので、流れは追っていけるのだけれど、昨日よりは、やりとりがやや希薄な、どう読むかがメインになった芝居になってしまったかもしれない。ちょっと反省。かねあいをさぐっていこうと思う。
 僕は、一昨日からの稽古で、普段は使っていない声を出すようになったせいか、一昨日には出てこなかった響きが声についてきている。最後のオーベロンが少しやりやすくなった。
 生まれて初めて恋に落ちる王子ファーディナンド、言葉巧みに女心をつかむグロスター、本人とは気づかないまま男装した恋の相手に恋の指南を受けるオーランドー、つれない恋人に夢中な羊飼いの青年シルヴィアス、慇懃無礼な執事マルヴォーリオ。第一部で僕がたどっていく人物は、こんなに振り幅がある。その振り幅を今日も楽しんで演じさせてもらう。
 合間には、昨日以上に芝居の話をみんなでおしゃべり。芝居の現場はほんとに不思議だ。テキストがみんなが知っているシェイクスピアということもあるかもしれないが、会ってまだ間もない人たちと古い友人と話しているように思ったことを言い合っている。シェイクスピアのセリフが、芝居というものが、共通の言語のようになっているのかもしれない。
 帰り、古川さんにみんなで軽く飲みましょうと言っていただいたのを、お先に失礼する。明日の夜は、篠原さんと台本の打ち合わせ。僕の担当部分を今夜中に仕上げないといけない。もっともっとおしゃべりしたい気分を後に残して、一人帰ってくる(あ、これってシェイクスピアっぽい言い回しかも・・)。

 初日まであとわずかですが、とてもおもしろいリーディングになっていると思います。
 上演時間は、約1時間30分です(今のところ)。
 とても魅力的な二人の女優さんの演技と、めったにごらんいただけない、僕の古典へのアプローチ、そして、やっぱりとんでもなくおもしろいシェイクスピアの劇世界をお楽しみいただけたらと思います。
 どうぞみなさんのご来場をお待ちしています。
 チケットのご予約は、関根までメールをください。
 よろしくお願いいたします!!

 せきねしんいち


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