せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2007年04月16日(月) 青年劇場「修学旅行」

 青年劇場「修学旅行」@紀伊國屋ホールを見に行く。
 富士見丘小の授業で一度お会いした畑澤聖悟さんの作品。元々は、高校生が演じていた、沖縄に修学旅行に来た高校生女子5人のお話。大会参加のため上演時間は1時間だったものを、今回リライトして1時間40分の芝居になっている。
 旅館の一部屋を舞台にほとんど「戦争状態」になっていく高校生を通じて、世界の今をあざやかに切り取った作品。
 昨日見た、高校生の芝居の記憶と印象が生々しくて、どうしても、これが高校生が演じていたらどうだったろうと考えてしまう。
 俳優さんたちは、高校生役を好演していて、ちっとも嫌味はない。ワークショップや去年のリーディングでご一緒した相楽さんが、ソフトボール部のたくましい女子を演じていた。こんなに大きな人だったっけ?と思うくらいの変貌ぶりに圧倒される。
 芝居全体としては、盛り上げるための演出がはしばしでやや余計だったかもしれない。シンプルでまっすぐな高校生の気持ちがそのままあれば成立する芝居が、説明的な効果音の後ろでなって見えにくくなってしまったのがやや残念だった。
 それでもこれはいい舞台だと思う。平和について考えながら、にぎやかなドタバタの要素も盛り込んだ、おもしろい芝居だった。


2007年04月15日(日) 小松川高校演劇部新入生歓迎公演

 「来月はきっとファンキーな祥月命日になるだろうさ」(作:酒寄拓)。
 いじめの対象になっている男子高校生と友人を死なせてしまったファンキーな女、それに死んでしまった少女の母親の三人芝居。
 開演前の小品がコントのノリだったせいか、本編もややコントノリの笑いをとりにいく芝居になっていたかもしれない。後半は、登場人物どうしのやりとりがきっちりできあがって、ほんのり切ないお話になっていった。
 終演後、OBOGから感想を伝えたり、だめだしをしたりする恒例の時間。今日は、ひさしぶりにOBOGが大勢、集まった。それぞれの今の立場から、さまざまなコメント。興味深く聞かせてもらう。
 現役生を手伝って、会場になった視聴覚室の片付け。大人数でわらわらと。
 その後、もっと話そうということで、打ち上げの席(?)をもうけて、ほぼ全員で流れる。じっくりと語り合う、いい時間がもてた。


2007年04月14日(土) フライングステージWS 

 先月につづいて、二回目のワークショップ。
 直前になって参加できないと連絡をくれた人が何人もいて、予定を変更しようかと思ったのだけれど、2グループで考えていた計画を1グループにしてそのままやってみる。
 今日もこの間のナショナルシアターのワークショップで学んだことをふまえての集団のワーク。自分の経験をもとにした作品作りをしてみる。
 フライングステージの面々にも、初めてのことばかり。だいじょうぶかなと心配もすこしあったのだけれど、ていねいに時間をかけてやっていく。
 参加してくれたメンバーにとっておもしろいワークショップをつくることが、僕の課題だ。
 一人一人をていねいに見ながら、一人から二人、そして全員へと、意識をひろげて、共同作業をしていってもらう。最終的な形や目的を提示するのではなく、一つずつ課題を与えて、積み上げていく作品作りは、はたで見ていても変化と練り上げられていく過程がとてもおもしろい。
 みんなで選んだモチーフは、ゲイとしての自覚についてのストーリーだった。テーマ決めの段階では、曖昧だったのだけれど、結果として、いかにも、うちの劇団らしい作品ができあがった。
 来月はまた違うこと、もっと先のことをやってみようと思う。


2007年04月12日(木) 磁石

 玄関に活けておいた桜が散り始めた。今朝帰ったときには、何でもなかったのに、夜もどったら、玄関が花びらでいっぱい。
 出がけにシャワーを浴びて大変なことに気がつく。背中の首筋にピップエレキバンを貼りっぱなしだった・・・。
 このところ、パソコンに向かうことが多くて、肩こりがきつかった。稽古のときには、「今日は稽古!」とはがしていたのに、だいじな本番でうっかりするなんて。
 鴇 恵は65歳の設定だから、まあいいかと思うものの、でも、だったら、もっと目立たないとおかしいし、とりあえず凹む。
 舞台上では目立たなかったかもしれないけど、舞台裏でスタンバイしているときはどうだったろうと思うと、とっても恥ずかしい。
 でも、磁石なしではつらいカラダになってしまっていることはたしかで、いったんはがしてまた新しいテープで同じ場所に貼り直した。


2007年04月11日(水) 「大部屋女優浜子〜宴の華〜」千穐楽

 今回、僕は女性楽屋に化粧前をいただいている。これがとっても楽しい。というか、気持ちがラクだ。僕がお願いしたわけではないのだけれど、「当然でしょう」と危婦人のみなさんに言っていただいた。おかげで、のんきにのびのびと準備をさせてもらう。
 3本のオムニバスの第一部「やってごらんなさい」は、キャッツのようなメークをしていく女優たちの楽屋トーク&バトル。楽屋で台詞あわせをしている風景は、ほんとに「そのまんま」で、ドキドキしながら、おもしろい。
 終演後、マチネに来てくれたマミィ、遠山さんと一緒にアフタートークを聞く。「おお、そうだったのか」という話が聞けて興味深かった。「浜子が愛したスパイ」、見てみたかったかも。
 夜の部は、外の大雨のせいか、しっとりした空気がのどにやさしい。
 お祭りのような今回の公演、千穐楽の舞台は、さらにお祭り感がアップしたよう。僕の出番でいただいた手拍子、とってもうれしい。楽しく、演じさせてもらった3ステージ。ほんとうにありがとうございました。
 楽しく、終演。大急ぎでバラシ、撤収。今回は客だしはなし。おいでいただいたみなさん、どうもありがとうございました。
 22時完全撤収という、本当に大丈夫?という予定も、なんなくクリア。すごいスタッフワークだ。
 打ち上げは、昨日以上の大人数で。久しぶりに「一気飲み」も目の当たりにして、みんな若いんだなあと思う。若さじゃないか、公演のお祭りノリのせいだろうか。じめっとすることもなく、荒れる人もなく、ほんとに楽しい打ち上げ。終電で帰る予定だったのだけれど、ずっとおしゃべりしていたくて、結局朝までいつづけてしまう。
 今回、客演させてもらって、本当に感謝だ。僕はあまり小劇場関係の知り合いがいないのだけれど、こんなにおもしろい人がいるんだと、毎日びっくりさせてもらっていた。それぞれの劇団の本公演のときとは違う(たぶん)俳優一人一人のキャラクターと腕が、今回のお祭りのような企画の中で、みなさんほんとうにきらきらしていた。いいものを見せてもらった、いいものを一緒につくらせてもらったなあと思う。どうも、ありがとうございました。
 ほんとうに打ち上げの帰りか?と思うくらい元気なまま最寄り駅までたどりつき、自転車置き場へ。いつも挨拶する管理人のおじ(い)さんに「ごくろうさま」と雨に濡れたサドルを拭いてもらって、びっくりする。こんなのはじめて。どんな仕事をしてると思われてるんだろうと考える。やっぱり水商売系だろうか?


2007年04月10日(火) 「大部屋女優浜子〜宴の華〜」初日

 僕は今日から劇場入り。初めての小屋に身体がだんだん慣れていくのを、耳や目で感じながら、場当たり、ゲネプロ。
 初日開演。僕の出番は最後のレビューなので、それまで楽屋のモニターで芝居をずっと聞いている。
 いそがしい平日の夜に来てくれるのは、とても暖かいお客様なのだと思う。危婦人や出演の俳優さんたちを愛してくれている。
 暖かい客席に助けられながら、わくわく楽しく本番を終える。
 終演後、早瀬くんたちにご挨拶。その後、初日乾杯に流れる。見に来てくれたウダくん、ナガヤマくんも一緒に。
 今回のメンバーとは初めてのお酒の席。おしゃべりたくさん。今日のゲストで出演していた、「落花生チャチャ」「中之島大橋恋物語」の作詞作曲のG・梅澤さんとも。
 照明の金子さんは、以前、「絶対鳥フライ」でお世話になって以来のごぶさた。今回もまた劇団合同の企画で、「デジャブのよう」と言われる。僕の出番で、ピンスポットのフォローで芝居を手伝ってくれる(というか芝居してもらう)アヤさんには、2月の富士見丘小学校の浴風園での公演でもお世話になった。こんな風な再会はとってもうれしい。
 ずっと話していたい気持ちをおさえて、終電で帰ってくる。
 化粧前がお隣どうしの金田爽ちゃんからいただいたポテトチップス(彼女がイメージキャラクターをしている)を夜中に食べてしまう。美味。でもちょっと後悔。


2007年04月08日(日) 選挙

 これから夏まで続く選挙のまず最初の投票日。県議会議員選挙。
 投票所は近くの幼稚園。門の前の桜が盛大に散っている。ものすごい花吹雪。こんな機会がなかったら見ることができなかった景色だろう。
 バス通りから一本入った通りは猫たちがのんきに歩いている。散歩ついでに近くに新しくできたケーキ屋をのぞいてみる。
 夜中、テレビの開票速報で、見たくない顔を見てはその都度チャンネルを変える。
 なんだかなあとやりきれない思い。
 選ばれた彼より、彼を選んだ多くの人のことを考えると気持ちが沈んでいく。


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