せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEXpastwill


2007年06月09日(土) ワークショップ

 秋に作、演出をする、パルズシェアーの顔合わせワークショップに顔を出す。
 今回、初めてのキャストもいるので、早い時期に一度会っておこうということになったので、さっくりと。
 久しぶりなみんな、初めましてな面々。台本にとりかかるのは「サロン」のあと、稽古は、その先の9月の客演の舞台が終わってからだ。
 全然知らない人が、知ってるこの人!に変わる、そんな時間。
 持って行った森本薫のテキストへのアプローチが一人一人全然違うのもおもしろい。
 帰りは、ばたばたと一人お先に失礼する。
 小雨模様の広尾界隈。しっとりしたいい夜。


2007年06月08日(金) 「サロン」顔合わせ

 シアターグリーンで取材用映像の撮影。菜月チョビちゃんと二人で。
 短いインタビューをロビーの片隅で。
 チョビちゃんとやりとりするのは、今日がはじめて。ちょっとドキドキする。このドキドキを忘れずにいたいと思う。
 僕は声だけで画面には登場しないので、ラクな気持ちでいたら、いつの間にか声が普通の男声になっていて、樺澤氏からチェックがはいる。
 その後、顔合わせ&懇親会の会場へ。
 今回の「サロン」の出演者が全員集合。それぞれ会っていても、全員が顔を合わすのは初めて。
 簡単なあいさつのあと、あとはあちこちでしゃべりこむ。
 二次会にそのまま流れてしまい、久しぶりに飲んだなあというかんじ。
 これから約40日の稽古、どうぞよろしくお願いします!


2007年06月07日(木) 打ち合わせ

 照明の黒尾さん、美術の小池さん、舞監助手の藤本さん、制作スタッフと打ち合わせ。
 前回の打ち合わせをもとにした装置の模型を小池さんが持ってきてくれた。
 タッパがあって、空間をどう埋めようか考えてしまうシアターグリーンのBIGTREETHEATERだけれど、これならばっちりだ。台本に書いた、外枠は「どこかの クラブ」という設定もさりげなく生きている。
 クライマックスの仕掛けなどについてもあれこれ話し合う。


2007年06月06日(水) 富士見丘小学校演劇授業

 今日はダンス。実は今年度の授業にはなかなか行けずにいる。
 ややひさしぶりなかんじの富士見丘小。
 体調もかなりいまいちなので、今日のダンスは見学だと思っていたのだけれど、やっぱり一緒に踊ってしまう。
 本山さんは、子供達をていねいに見渡しながら、着々と振り付けを進めていく。
 予定としてはここまでと思っていたところから、ぐんぐん進んで、かなりの長丁場をみんなで踊る。
 今年もまた、きみ、ダンスやってるでしょ?という子があちこちにいる。
 踊りなれてる子も、そうでない子も、一緒に汗をかいて踊り、お互いのダンスを見る。
 汗を流して、不思議とすっきりした気持ち。


2007年06月03日(日) 劇団劇作家「劇読み vol.1」千穐楽2

 「親シラズ」は11時半の開演。10時過ぎに劇場入りして、出演の伊藤さん、泉川さんとウォームアップをする。
 朝いちの身体は、やっぱりなかなか起きない。しりとりをしたり、歩きながら順番に数を数えたり。できないことをチェックして、できるようになった変化を確認する。奇数より、偶数の方が数えやすいねとか。
 開演した舞台は、初日よりも客席の反応がよくてびっくり。さもない親子の会話が当たりまえのように成り立っていて、リーディングだからと構えることもなく、すんなり芝居の中に入っていけたからだと思う。
 開演前にお願いした、初日よりも、少しだけ観客を意識してみようということ、つまりは声をしっかり出してみようというダメもきれいに通って、とても気持ちよく、そしておもしろく見ることができた。
 続く「白狐」は初日を拝見してるのと、満員御礼とのことで失礼して、続いては「佳子のさくら」。
 数日ぶりの青木さん、菅野さん、児玉さんと最後の確認をあれこれ。この回も満員で、僕は最前列の桟敷で作者の佐藤さんと一緒に観劇。
 児玉さんが、最初の語りで「作、佐藤喜久子」の後に、「演出、関根信一」と入れてくださっていた。びっくりしたのと同時に、あたたかな気遣いがとてもうれしい。
 ドビュッシーのピアノ「夢」に乗って、万里子(青木さん)が座った車椅子を押して安子(菅野さん)が登場。開演前、青木さんに「登場の時、目をつぶってた方がいいかしら」と聞かれた。目をつぶって車椅子に乗るのは、気分が悪くなるかもしれないので、開けててだいじょうぶですよと答えた。
 本編は、初日よりはややテンポよく、きちんきちんと運んでいった印象。それでも、二人が語る様々なものの色が今日も目に浮かぶようなリーディングだった。椿の葉の濃い緑、蝋梅の黄色、小さな詫助の花、夜の闇、そして桜の花。児玉さんの語る、音も聞こえてくるよう。水の音、靴音、そして沈黙まで。ベテランの女優さん二人が演ずる年老いた女性たちが、いつのまにか楽しげにおしゃべりする少女のように見えてくる。不思議な芝居。
 ドビュッシーの「月の光」が流れ出して、この芝居が閉じていく。車椅子から立ち上がった青木さんの少しだけ微笑んだ表情を残して暗転。おつかれさまでした。
 最後の舞台は、「円山町幻花」。稽古もリハーサルも見ていない舞台。演出は作者の三井さん。どんなだろうとわくわく。
 渋谷円山町を舞台に東電OL殺人事件をモチーフにした作品。
 今回の8本の作品の中で一番「男度」が高い気がする。演じている俳優さんたちも生々しい男と女だなあという気がする。
 この作品を健翔さんが演出したらどうなるんだろう、僕だったらどうするんだろうと考えながら見つめる。
 僕の担当する作品に出演の俳優さんたちが、ここでもまた全然違う顔を見せてくれている。
 そして、終演、8本のリーディング公演×2、16回のステージは終了した。
 終演後、スタッフのみなさんをお手伝いして、打ち上げの会場へ。
 びっくりするほどの大人数の打ち上げ。みんな笑顔だ。
 何度かの乾杯のあと、演出からの挨拶ということで健翔さんと僕から一言ずつ。
 作家のみなさん、俳優のみなさん、そして現場のスタッフのみなさんが、今みんな笑顔でいることがとてもうれしいです。この公演がこうして無事にというか大成功で終わったということは、この企画自体が一つ「化けた」ということだと思います。声をかけていただいてほんとうに感謝です。お疲れ様でした!
 「親シラズ」の伊藤さん、泉川さん、「在り処」の藤さんと同じテーブルでおしゃべり。「親シラズ」は、さもない話なのにとっても暖かい、まるで街のお肉やさんのおいしいコロッケのような芝居だと思うと話す。
 その後は、「佳子のさくら」の青木さんともおしゃべり。芝居のことあれこれ。菊田一夫のことやらなにやら、芝居好きにはたまらない話をいろいろ。
 ミラクルのオーナーの金さんが、今回の8作品の中からベストを選んで表彰する「ミラクル賞」の発表があった。
 受賞したのは「在り処」。やった! 作者の相馬くんやキャストのみなさんと大喜びする。
 一次会のお開きでお先に失礼することにする。最後に、僕が担当した4本の作品の作者、相馬くん、佐藤さん、福山さん、錦織さんと挨拶!
 帰りの電車の中で、じーんと幸せな気持ちになる。しあわせだなあと思うのではなく、身体がよろこんでいるようなそんな感覚に気がつく。
 たくさんの人と知り合えて、いろいろなことを発見させてもらった。
 みなさん、どうもお疲れ様でした。そして、どうもありがとうございました。
 僕は、これから、来週から始まる「サロン」の稽古に向かってまっしぐら。


2007年06月02日(土) 劇団劇作家「劇読み vol.1」千穐楽1

 13時開演で「在り処」千穐楽。
 今日の舞台では、ラスト近くの板倉さんの芝居が特に胸に迫るものになっていた。
 終演後、上演時間が5分近く伸びていたことが判明。
 舞台監督の八着さんをはじめとする裏方のスタッフ、それに次の「ドールハウス」のキャストは大変だったそう。
 リーディングで5分のびるってどういうことだろう。一昨日の初日の後のダメだしで、やりとりを大事にしてほしいと話したせいか、だんどりに手間取ったせいか、見ているときにはそれほど気にならなかったのだけれど。
 同時に、ミラクルのあるビルのエレベーターが故障していたとの情報も。
 続いて、「ドールハウス」千穐楽。
 開演してすぐ、地震があった。結構大きい。上手壁際にすわっていた僕がつい壁を押さえてしまったくらい(意味なし)。
 劇中でマナブくんが、ト書きの中で「地震があったけど・・」とさりげなくアドリブを入れてくれて、客席の緊張がふっとゆるんだ。ありがとう。
 ラストまできれいに運んで、無事に終了。
 今日、3本目は「フォルモサ!」、昨日の初日を見ることができなかったので、今日拝見する。
 きっちり組み立てられた戯曲は、揺るがないんだなあと感心した。
 もう一つ、さっきまで「ドールハウス」に出演していた面々、犬塚さん、遠藤さん、伊藤さん、剣持さん、金井さん、マナブくん、それに「在り処」の藤さん、板倉さん、唐沢くんが当たり前のように全然違う役で出演している。
 なんだかものすごいことだなあと思う。
 俳優のバネというか、心の筋肉というか、そんなもののしなやかな強さのことを思った。
 歌舞伎では、一日に何本もの芝居を上演するのが当たり前だ。俳優も、次々違う役を演じていく。
 でも、小劇場でこんなふうになることはなかなかないだろうと思う。
 やればできるんだ・・・ということと、もう一つ、そんなふうな大変な状況で生き生きと役を生きている俳優さんたちが、とてもすてきに見えた。
 最後は「正しい海賊のつくり方」。稽古もリハーサルも全然見ていない。えらいことになっているという噂はいろいろ・・・・。
 この回も満員の客席で、キャストの奥山さん、遠藤さんと一緒に立ち見で観劇する。
 始まってすぐわかったのは、このリーディングはライブだということ。
 トランプのカードになっている台本は、全部で3冊。海賊船「男は奴隷号」の女たち、ママ(明樹さん)、ララ(里沙ちゃん)、リリ(伊藤めぐみさん)が持っているのを、5人の男たちがのぞき込みながら、読んでいく。
 しかも動きが激しい。その場の主導権をにぎっているのは誰か。それによって、ララの台本を読んでいた男たちがリリの台本を読むようになったり。カードの一枚を渡して読ませたり。もう、何が起こるかわからない。おもしろさがいっぱい。
 ここでも俳優さんたちは、生き生きと生きていた。
 唐沢くん、剣持さん、マナブくんは、今日3本目の舞台。それぞれ一時間を超える上演時間で、単独での上演も可能なような作品を2本やった後のこの舞台。
 出演者にすら、次がどうなるかわからない状況を、台本を頼りに、助け合って、進めていく。
 その真剣さと楽しさ。堪能する。
 最後、ほんとに「ブラボー!」と声をかけたかったのを、幕内からは行儀が悪いと思い、がまん。ああ、おもしろかった。
 今日、僕は、結局、4本の舞台を見たわけだけれど、心配してたような「まだあるんかい?」というような気持ちにはちっともならなかった。
 作家が書いた戯曲が、一つ一つが全然違う、おもしろい舞台として立ち上がっていたからだと思う。
 幸せな気持ちで帰ってくる。


2007年06月01日(金) 自宅待機

 昨日の帰りの電車の中でぐったり寝てしまい、家に帰ったら熱が出ていた。
 今日初日の二本は、僕の担当ではないので、お休みさせてもらって家にいる。
 手を放れたという感覚が4倍になって、いっそうの開放感というか、宙ぶらりんのような気持ち。
 でも、熱があるので、なんとなく横になって、今日も「サロン」の準備をする。
 昼間、渡辺えり子さんが出演しているTVを見る。
 このノリで今日の夜のポストパフォーマンストークに行かれるのだろうと思うと、ちょっと顔を出したいような気がしてきたけど、がまん。
 一日、家にいる。


せきねしんいち |MAILHomePage

My追加