せきねしんいちの観劇&稽古日記
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朝、30日の「非戦を選ぶ演劇人の会」のリーディング台本が届く。 ざっくり読んで、自分のパートの確認。全体は、まだ頭に入ってこな い。無理に入れようとしないでおく。まずは「サロン」。 稽古前に、美術の打ち合わせを小池さんと。 稽古は、昨日の続きから、どんどん進めていく。 今日は、去年の入院した大門さんが退院した日からちょうど一年。稽古場でお祝いをする。 樺澤氏が用意してくれたケーキをみんなで囲んでしばし歓談。 稽古終了後の打ち合わせ。見えてきたこと、たくさん。
大門さんからの差し入れ、今日は明太バターパンを持ってきてくれる。おいしくいただく。感謝。 冒頭からの稽古。 それぞれのキャラをていねいに。その後の大勢でのやりとりを組み立てる。 終了後、樺澤氏とうちあわせ。 全体像についての確認もろもろ。 終電にぎりぎり間に合って帰宅。 去年の「ムーンリバー」の稽古のとき、終電を逃して西新井までタクシーに乗ったことを思い出す。
ワークショップ的な稽古をさせてもらう。 午後の時間帯は、リーダーシップについてのあれやこれや。 早めに来てもらった、ゲイ仲間チームと全員がいつでも主役になれるアンサンブルについて。 チーム感をつくりあげていく。仲のいい人たちにはなっているのだけれど、もう一つ何かがほしい。 誰が一番になってもいいんだということ。いつ誰が前に出てもいいんだということ。 理屈じゃなく、身体で感じてほしい。 夕方からは、個人の体験から作品をつくる作業。 まずは自分自身でいてもらいたいと思う、今回の「サロン」。 メインの目的は、作品をつくっていく中でのコミュニケーション、ディスカッションのありかたの確認。 2つのチームに分かれてもらう。 森澤さんの「勝利」と、羽田さんの「あいうえお」をテーマにした作品が生まれた。 知らなかった一面が見れたということだけがよかったんじゃなくて、そのことをもとに何かを生み出すことができたということが大きい。 帰り、隣の隣で稽古をしていた東京タンバリンの森くんと会う。 彼らは今日で稽古場アップ、明日は駅前劇場に小屋入りとのこと。 そうぞう舎では、いろんな人に会えるのがとてもうれしい。 小劇団は、どこも一匹狼で活動することが多いと思うけれど、こういう場で知り合いに会うと、「一人じゃないんだ」とでもいうようなほっかりした気持ちになれる。 今回初参加のみなさんと二丁目に繰り出すかという企画が浮かんだのだけれど、日曜日だし、今週末にまた改めてということになった。 ゲイを演じることの「なんでもなさ」のようなものを感じてもらえるとうれしいと思う。
小雨の降る朝。今日は夏至。朝の4時には、もう曇り空の昼間のようになってしまった。 もう夏なんだなあ。
朝から、タカツで小道具の下見。小池さん、藤本さんと。 その後、食事をしながら打ち合わせ。 稽古場に一足先に移動して、誰もいない稽古場に一人でいる時間。 窓をあけて、外の風を部屋の中に入れる。 早めに来てくれた、いっこうさんとおしゃべり。 稽古は、昼間借りてきた小道具を使っての場面。 食事の場面。大勢でいっせいに動くというのを、何度もやってみてもらう。 何もすることが見つからず右往左往する今井さんがとってもチャーミングで、並んで見ていたにしやんとけらけら笑ってしまう。 帰り、今井さん、しいさんと話す。 ゲイを演じるって何だろう?ということをよく考える、今回の「サロン」だ。 僕は、基本的に「ゲイ」というもののステレオタイプを演じようとはしないでくださいと話す。 台詞でゲイかどうかは説明されているので、何かをつくろうとしなくてもだいじょうぶですよと。 役者さんたちが、ゲイのキャラクターを演じるにあたって、何かしなくちゃと思う気持ちはよくわかる。 どうすると「ゲイ」らしくなるかということを考えてくれるのだろうと思う。 僕は、「ゲイらしい」人物像というものを、演じてもらいたいとは思っていない。 いろんな男女がいるように、ゲイにだっていろんなキャラクターが存在する。 だから、僕が言うのは、もっと具体的なことだ。 他のどんなキャラクターを演じるときと同じに、ただ、その場にいてやりとりをしてくださいと。 すべての会話がオネエ言葉というゲイたちだってありだと思う。 ただ、僕はそういったものを描きたいとは思わない。 もっと普段なノリ、誰かにゲイだってことを説明するためにキャラクターを演じるようなものではなく、もちろん自意識はありえないほど過剰で、日常生活を過剰に演じてみせる一面もありながら、本当の本音の部分、なんでもない日常を生きていってほしいと思う。
たたき台としてずいぶん前に書いた場面を読んでもらう。ゲイバーのカウンターを囲んでのやりとり。 いっこうさん、今井さん、大門さん、羽田さん。 そして、若い二人のやりとり。チョビちゃんと坂本くん。 今まで登場させたことのないゲイのキャラクターを羽田さんにはお願いしている。 その後、大門さんを中心にバーの場面のエチュードを。自由自在な息がすばらしい。
場面をどんどこつくりあげていく稽古。 大勢の俳優さんたちが、もう大勢には感じられない。 そんな気持ちになった日。 一人一人が、ちゃんと特別な存在に見えてくる。 それでも、締め切った暗い稽古場は、空気がすぐこもってしまう。 換気が大事だよねと言い合う。
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