2020年05月07日(木) |
「オンライン禁煙」急増・・・前年同月比10倍 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
スマートフォンなどを使ったオンライン禁煙治療に取り組む人が急増しているという。 受動喫煙対策を強化する法律の全面施行や、喫煙が重症化リスクを高める新型コロナウイルスの感染拡大が背景にあるらしい。 専門家は「環境の変化で関心をもつ人が増えた」と指摘する。
「喫煙場所が減り、コロナも怖い」。 東京都の会社員男性(39)は4月中旬、オンライン禁煙治療の初回で、スマホの画面に禁煙したい理由を語りかけた。 画面の向こうの医師は「早く始めることが大切です」と励ました。
禁煙治療は、たばこをやめたい人を医師が診察してサポートする。 イライラなど、ニコチンの離脱症状を和らげる薬などを使う。
オンライン禁煙治療については、4月の診療報酬改定で公的医療保険が適用された。 ただし、初診などの対面診療が必要になる。 これとは別に、厚生労働省は2017年、医師と一度も会わないオンライン禁煙治療を、健康保険組合との連携などを条件に認めている。
男性が受けたのは、健康支援企業大手「リンケージ」(東京)が手がけるオンライン禁煙治療プログラム。 同社と契約する健保などの加入者を対象にし、希望者は2か月間に4回、オンラインで受診する。治療薬は自宅に郵送される。
4月にこの治療を受けた人は763人で、前年同月比で10倍近くに増えた。 契約する健保数は98と、1年間で1.6倍になった。
薬剤師らが支援するオンライン禁煙プログラムを手掛ける医療ベンチャー「キュア・アップ」(同)でも4月の利用者は前年同月と比べて5倍に増えた。
急増の背景には、改正健康増進法が4月に全面施行されたことがある。 病院などは完全、会社や飲食店は原則、屋内禁煙になり、たばこを吸える場所が減った。
また、世界保健機関(WHO)は3月、新型コロナウイルスに感染した場合、喫煙は重症化のリスクを高めると注意喚起した。 3月末には愛煙家で知られたコメディアンの志村けんさんが感染して亡くなった。
日本禁煙学会の作田学理事長は「たばこをやめたい人はもともと多い。感染症におけるリスクが、禁煙の決断を後押ししているようだ」と話している。
マスクを顎の下までズラして喫煙している姿、、、本当に不愉快ですよね♪
2020年05月05日(火) |
虫歯の虫ってなんの虫? |
今朝放映のNHKチコちゃんに𠮟られる!から・・・
この番組では、珍しく歯科的な内容に触れていましたね。
折角なら、虫の量を減らすことよりも、虫に餌をあげないことの方が圧倒的に大事! ということまで伝えて欲しかったですね♪
神戸新聞によると・・・
神戸市立医療センター中央市民病院が一般外来患者千人の血液を調査し、3.3%(33人)が新型コロナウイルスに感染したことを示す抗体を持っていたと発表したのだそう。 市全体にあてはめると市民約4万1千人に相当。 神戸新聞社の取材に応じた木原康樹院長は、この試算に対して実際の死者・重症者が少ないと指摘した上で「緊急事態宣言の解除時期や方法に一石を投じるデータではないか」と語ったのだとか。
同病院は、3月31日から4月7日にコロナ以外の病気で血液を採取した患者を対象に抗体を調査。 男性489人中16人、女性511人中17人が陽性という結果が出た。 これは年齢、性別を考慮して神戸市の人口に換算すると、4万999人に感染歴があったことを示し、4月7日時点で同病院が把握していたPCR検査による市内感染者69人の約600倍に相当する。
木原院長は「感染者の母数を4万人超とすると、重症者や死亡率など評価の内容が随分と変わる」と指摘。 検査対象が患者であるため、健康な市民と比べるには偏りがあるとしても、PCR検査と顕著に違う。
感染者が約4万1千人とすれば、重症者や死者はかなり少なく抑えられており、木原院長は「私たちの国はうまくいっていると言えるのかもしれない」とする。緊急事態宣言前のデータであり、「今ならもう少し高い値が出る可能性がある」とした。
一方で、抗体の確認が3.3%にすぎず、マスクを外したり、“3密”を解いたりするのはもうしばらくできないという考えも併せて示したのだとか。
先日の東京での6%の記事もありましたが、地方でも“陽性”が広がっているのですね。
ちゃんと装着しましょう!
昨日の東京は、今年初めての夏日(25.5℃)になったせいか or マスクの装着に飽きてきたせいか、鼻や口がマスクで覆われていない人をチラホラ見かけてしまいました。
これでは意味がありませんよね♪
そもそも、マスクの販売を毎日アチコチで見かけるようになりましたから。。。
2020年04月29日(水) |
口腔がん−5 心配なら まず歯科に相談 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
口腔がんに詳しく、2019年の診療指針の改訂に関わった九州大歯学部長の中村誠司さんに聞いた。
――口腔がんとは
口の中にできるがんの総称です。 舌や歯肉、頬のように、口の中を覆う粘膜にできるものが9割以上を占めます。 唾液を分泌する唾液腺にできるものもあります
人種や国、地域の生活習慣などで異なりますが、日本人の場合、舌がんが6割と最も多く、上下の歯肉がん、舌と歯肉の間の『口底』にできるがん、頬の粘膜がんなどが続きます。
――がんになる要因は
最もリスクの高い生活習慣は喫煙です。 南アジアでは、口腔がんが全てのがんの3割を占めますが、かみたばこの習慣が影響していると言われています。 これに飲酒が重なると、相乗的に作用するとみられています。 また、虫歯で欠けた歯などが口の中を慢性的に刺激することが、引き金になるとも考えられています。
――患者の数は
推計で毎年7000〜8000人です。 著名な女性タレントが最近、舌がんであることを公表し、心配して受診する人が増えています。
――がんを疑うポイントは
病変は濃い赤や白色で、潰瘍やしこりを伴うことが多いです。 初期は痛みや出血があるとは限りません。 しばらく治らないと感じながらも、単なる口内炎と思って放置してしまうケースがしばしばあります。 通常の炎症や傷は1、2週間もすれば大半は治ります。 それでも改善しなければ、別の病気を疑いましょう。
口腔がんは、食べる、発声する、のみ込むといった大切な機能が損なわれます。 異常に早く気づくことができれば、その後の治療で患者さんにかかる負担を抑えることもできます。
――治療法は
がんのできた部位、進行度で異なります。 一般的には病変部とその周辺を切除することが多いですが、放射線療法も有効な治療の一つです。 抗がん剤治療を併用することもあります。
舌や頬、あごの骨などが対象になるので、手術後にかんだり、のみ込んだりする機能に障害を残すことや、顔など外見に影響を及ぼすこともあります。 早期に発見できれば、切除する範囲が小さくて済みます。
――心配な場合、どこにかかればいいですか
かかりつけの歯科医院に相談すると良いでしょう。 耳鼻咽喉科でも対応が可能です。 がんの疑いがあれば、治療が可能な口腔外科などのある医療機関を紹介してもらえます。
口腔がんは、首のリンパ節や肺などに転移しやすいのが特徴です。 また、患者の10人に1人は、食道や胃など上部消化管のがんが見つかると言われ、口腔外科医だけでは対応できないこともあります。 治療にあたる上で、各診療科との連携の重要性が高まっています。
2020年04月28日(火) |
口腔がん−4 抗がん剤・放射線で温存 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
口腔がんが進行しても切除しないで、温存の可能性を探ることもできる。
東京都内の女性(73)は2016年の春頃、舌の左側にブツブツした小さな腫れ物ができた。 痛みはなく、自然に治ると考えていた。 ところが約4か月後、痛みはないものの、舌のただれがひどくなり、話をすることも難しくなった。 慌てて近くの大学病院を受診すると、舌がんと診断された。
舌がんは、口腔がんの半数以上を占め、年間4000人以上が発病するとされる。 発見が早期であれば、手術で一部を切除するだけで済む。 進行した場合は、切除する範囲が大きくなり、舌の機能を維持することも難しい。 腕やももの皮膚や筋肉などを使う再建術を並行して行う。
女性のがんは進行しており、舌のほぼ全てを切除しなければならない状態だった。 そんな中、同じ年の10月に訪れた横浜市立大病院で、口腔外科教授の光藤健司さんから「動注化学放射線療法」を提案された。
がん細胞には血管から栄養が運ばれているが、耳の脇の動脈から入れたカテーテル(管)を通じて抗がん剤を注入。 放射線治療も併用し、がんを小さくすることで温存を目指す治療だ。
同病院では06〜15年、舌がん患者118人に対し、この治療を実施した。 その結果、再発・転移を3年間抑えた割合は80%で、3年生存率は82%だった。
女性は11月上旬から約2か月間、がんの患部に抗がん剤をカテーテルで注入した。 並行して行った放射線照射も計35回に上った。 現在、がんは画像検査で確認できないほど小さい。
点滴で全身に抗がん剤を行き渡らせる通常の方法と比べ、全身の倦怠けんたい感や吐き気、脱毛といった副作用は少ない。 ただ、動注化学放射線療法の場合、ほとんどの患者が口内炎を発症し、食事が取れなくなることがある。 ひどい口内炎に悩まされた女性は、チューブで胃に栄養を直接入れる「胃ろう」をつけた。
治療の副作用である口内炎は3か月で消えた。 舌は温存されたが、機能の全てが残ったわけではない。 熱い物は食べづらく、舌を巻いて発音する「ラ行」も言いにくくなった。 現在はスポーツクラブに毎日通うほど元気に過ごす。 女性は「一時は死も覚悟した。今は感謝しかない」と話す。
動注化学放射線療法は公的医療保険の対象となっているものの、治療技術やカテーテル管理の難しさなどから、この治療が受けられる医療機関はまだ限られている。
光藤さんは「進行がんでも大幅に切除するのを避けたい時は、治療の選択肢の一つになり得るのではないか」と話している。
2020年04月27日(月) |
口腔がん−3 口内炎かと思っていた |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
大相撲の元前頭筆頭・薩洲洋の立田山裕教さん(62)は、昨年2月頃から、舌の裏側が引っかかるような感じが気になっていた。 痛みはなかったため、自然に治ると思い、鏡で見て確認することもなく、そのままにしていた。
しばらくして違和感はなくなった。 治ったと思い、すっかり忘れていた夏頃、ぶり返した。 8月上旬、東京都内のかかりつけの歯科医院で診てもらうと、舌の裏に病変があり、「大きな病院で詳しく調べてもらった方がいい」と言われた。
口腔外科のある総合病院を紹介されたが、診療は2か月待ち。 大学病院出身の医師がいる別の歯科医院で「がんの疑いがある」と告げられた。 下あごの歯肉と舌の間の「口底」という部分に、白色が交じった赤く硬いしこりが確認された。
すぐに東京医科歯科大歯学部病院を受診。 顎口腔外科教授の原田浩之さんは、患部の組織を採取して調べた結果、「口底がん」と診断した。
口底の粘膜は、舌や下あごの骨とつながっている。 がんが進行すると、これらも含めて切除しなければならない。 また、このがんの患者は、食道など上部消化管のがんになる頻度も高いとされる。
立田山さんのがんは、口底の左側にあり、2センチに満たない早期のがんだった。 1週間余り後には9月場所も迫っており、かなり迷ったが、手術を受けることにした。
9月中旬には、がんのできた部位を切除し、右の太ももから3センチほど切り取った皮膚を移植した。 コンピューター断層撮影法(CT)の検査で、左あごの下の顎下腺に唾液の成分のカルシウムが固まった「唾石」も見つかり、顎下腺にあるリンパ節と一緒に摘出した。
2週間後に退院。 しゃべりにくさも1か月ほどで慣れ、今は手術前と同じように話せている。 陸奥部屋の年寄として後進の指導にあたる立田山さんは「単なる口内炎だと思っていたが、認識が甘かった。早い段階で治療が受けられて本当に良かった」と話す。
口底がんは特に、喫煙や飲酒がリスクを高めると考えられている。 それまで1日20本のたばこを吸い、現役時代から度数の強いアルコール飲料を飲んできた立田山さん。 今もアルコールは適度に楽しみながらも、たばこは手術前にきっぱりやめた。
原田さんは「口内炎のような症状が2週間以上続いたら、がんの疑いもある。 口の中の異変や違和感が続いたら、速やかに歯科医院を受診してほしい」と呼びかけている。
2020年04月26日(日) |
口腔がん−2 今度は頬粘膜に 手術再び |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
昨日の続きです♪
歯肉がんの手術を受けてから12年がたとうとしていた2017年2月、大道芸人の源げん吾朗さん(69)の口の中に見つかったのは、頬粘膜のがんだった。かつて切除した左下あごの6本の歯を補う入れ歯の近くにできていた。
がんが粘膜にとどまっていれば、放射線の照射で済む場合もある。 だが、源さんのがんは、あごの骨まで広がっている可能性があった。 3月に手術を受け、粘膜だけでなく、左あごの骨の一部を残して切除した。
半月ほどで退院すると、東京都内の舞台に出演。 ところが、復帰して約2週間後の4月中旬、魚の干物を食べている時に、左あごで「パキッ」という音が鳴った。 鈍い痛みが続き、大学病院の主治医に診てもらったところ、あごの骨が折れていた。 「笑い話みたいですが、本当に痛かった」
再び入院し、あごの折れた部分を安定させるため、チタン製のプレートを埋め込む手術を受けた。 無事終わり、退院できるはずだったが、思わぬ不調に襲われた。 持病の痛風の症状がぶり返した後に、右の手足がひどくしびれ、歩けなくなった。 手術によるストレスの可能性もあったが、原因は分からなかった。
3か月を超えるリハビリを経て、9月初めに退院。その後も右足の裏にしびれが残っている。 週末や祝日の午後に浅草で紙芝居を披露している時には夢中で気にならないが、帰宅すると、じんじんと痛む。 「屋外のパフォーマンスは開放感があり、面白くてやめられない」
「立て板に水」の話芸の支えとなるのは口の動きと滑舌。 手術で切除した部位には、ももの皮膚を移植している。 粘膜と違って柔軟性に欠けるため、「こまめに口を閉じたり、開いたりしています」と話す。 現在も検査やリハビリのために定期的に通院している。
活動を再開してからは、自らの闘病体験をネタにすることもある。
「話芸を持ち味にする芸人が歯肉がん。それは、皮肉(シニク)だ」
近頃気がかりなのは、新型コロナウイルスの感染拡大だ。 通い慣れた浅草では、2月下旬から外国人の姿を見かけなくなった。 3月に入ると日本人もめっきり減った。春休みに都内の小学校を会場に予定していた紙芝居も中止となった。
今年秋には、長年交流を続けているモンゴルの学校を訪れるつもりだったが、実現できるかどうかも不透明になっている。
「今は辛抱。落ち着いた頃に、多くの人たちに喜んでもらいたい」。 コンディションを整え、その日を心待ちにしている。
2020年04月25日(土) |
口腔がん−1 歯茎に斑点 骨ごと摘出 |
読売新聞医療ルネサンスから・・・
「さあ、始まるよ、始まるよ――」
2月下旬、東京・浅草の浅草寺近くの路上で、拍子木の小気味よい音とともに、道行く人たちに呼びかける大道芸人の源げん吾朗さん(69)の声が響き渡る。
外国人旅行客やベビーカーを押す母親に囲まれると、昭和初期に登場して人気を呼んだ「黄金バット」の紙芝居を始めた。 さらわれる少女や謎の怪物らの声色こわいろを使い分ける。 外国人を意識して「ウェート・ア・ミニット(少し待って)」などと英語も交え、場を盛り上げる。
源さんは1970年、役者を目指して山形県から上京し、劇団に入った。 度胸をつけようと新宿の歩行者天国で始めた紙芝居が評判となり、漫談家で同郷の俳優・ケーシー高峰さんに75年、弟子入りした。
その後、大道芸人として生きていこうと心に決め、「バナナのたたき売り」や「ガマの油売り」などの軽妙な口上を持ち芸に活動。全国各地を回り、米国など海外15か国でも公演を果たした。 浅草では土日祝日に紙芝居を披露している。
そんな源さんが口の中の異変に気づいたのは、2005年3月。 左側の下あごの歯茎に赤い斑点があるのを見つけた。かかりつけの歯科クリニックで歯周病の炎症を疑われ、抗菌薬を処方されたが、しばらくしても症状は改善しなかった。
紹介先の大学病院を受診したところ、歯肉がんと診断された。 口の中にできる「口腔がん」の2割近くを占め、舌がんに次いで多い。 治療の基本は手術。 下あごの歯肉がんは、あごの骨に広がりやすいため、進行しているほど、あごの骨を広く切除しなければならない。
「これまでのようにしゃべることが、できなくなるのではないか」。 話芸で身を立てる源さんは、口の中にメスを入れることに不安を感じた。 ただ、命には代えられず、2か月後に手術を受けた。 下あごの左側の歯6本を歯茎と骨も一緒に摘出し、入れ歯で補った。
2年後の07年10月、左足に皮膚がんの悪性黒色腫(メラノーマ)が見つかった。 幸い早期に切除できたため、すぐに仕事に復帰できた。 その後も大学病院には数か月に1回通った。
17年2月、口の中を診た担当医が、歯肉のそばにある粘膜が白く変色しているのを見つけた。 「腫瘍のようですね」。 組織を採取して調べると、がんだった。 歯肉がんの手術から10年余り。 完治したと安心していただけに一瞬、動揺した。
しかし、すぐに腹をくくった。 「気落ちしても仕方がない。また舞台に立つんだ」
明日に続きます♪
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