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■ Welcome to the NHK
先日書いてた「NHKにようこそ!」(滝本竜彦)なんですが読了しました。 てか、今日はちょっと出かけてて移動時間が長かったこともあり同時に「FINE DAYS」本多孝好も終わってしまいました。 たまには関係ない本を読むと元気になりますね。
というか。 ここでいつものように感想を書き連ねようと思うのですが―なんというか―今回ばかりは書けるかどうかが自信ないのです。 というのも、特に前者が「アウトロー(もしくはドロップアウト)にピンポイント攻撃」のような趣きがあるためそうじゃない人が読んだ時に本当に面白いのか、と考えるとそれはそれでどうなのかな?と思うのです。 まぁ、どうせ紹介するんだけど。
・「NHKにようこそ!」滝本竜彦 ひきこもりが高じて大学を中退し、輝かしい青春のひとときをフルスイングでドブに投げ捨てる。小説で人生の一発逆転を狙うものの、狭いアパートに閉じこもったままの薄暗い日々は、いまだ終わる気配を見せない。 「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」で第五回角川学園小説大賞特別賞を受賞しデビュー。
そんな作者が放つ第2作小説がこのNHKにようこそ!なんですが表紙に騙されてはいけません。 あと、NHKとはいったい何事?なんですが多くの紹介文でもあるように日本放送協会ではありません。>あ、ちなみに国営放送じゃないからね、公共放送だよ
とっとと感想、行きます。 素晴らしいです。最後の疾走感とか。 論理の破綻とかどーでもいいくらいのきらめきがあります。たやすい青春小説ではなく、痛みを含有している。「しょうがないなぁ」の日々を、空気感を表現できた作品といえます。ステキ過ぎ。 しかし。 ドロップアウトというかアウトサイダーが読まないと意味がないというか。>某巨大掲示板じゃあるまいし。 いわゆる「優等生」が読んだ時に、細部のネタはともかくその本質を感じ取れるかどうか。。。
ただなぁ。角川書店さん、乙一と彼をあわせて「ネガティブキャンペーン〜青春を後ろ向きに駆け抜けろ」ってかなり明後日の方向を向いていると思いますよ? あと、先日BIG ISSUEに彼が出ていたのも少し違和感を憶えたのも事実。 あんまり前面に出ないほうがいいのかも。
・「FINE DAYS」本多孝好 新刊「真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side - A」 「真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side - B」 を同時に発売と言うことで話題沸騰の彼の昨年の作品であります。 うーん、静かなベストセラーということですが、恋愛小説だということですが。 恋愛小説なのか、これ?ってのが本当のところです。 むしろ、これら(全部で4本の短編収録)を恋愛小説と定義するのならばなんとも屈折した恋愛(小説)観を持っておいでですね。頑張っても「イエスタデイズ」「シェード」の2本だけですよ、恋愛小説は。 この人の作品って正直なところ、当たりハズレがあって(当たりは、「MISSING」、「MOMENT」でハズレは今回の作品「FINE DAYS」、「Alone,together」)その執筆順から行くと新作は当たりかもしれません。
ところどころはいいと思うのですがなんだかなトータルとするとイマイチというか。 ネタバレとしては「シェード」は書下ろしのクセに>偉そうO・ヘンリーの賢者の贈り物だし。筋が見えちゃうのが辛いかな、と。 もちろん、なにか新しいことを語るばかりがいいわけではなくて「どうやって語る」が問題だと思うんですが(この作品の場合)、上手く行ってないというか。 前も書いたかもしれませんが、彼は宮部の影響があるのかよくわかりませんが、トートツにSFチックな展開を持ってくることがあってそこがミステリーファンとしては評価しきれないのかも要因かもしれません。 なんてこと思ったり。
これで夏前に借りた本を消化できました。ああ、よかった。
2004年10月24日(日)
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