◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2002年11月30日(土) DANCIN'-AKIKO- 40th Anniversary

アキコカンダレッスン発表会。
即座に思い出したのは『ブルボンの封印』の最初のほうのダンス。
ヒラヒラとしたレオタードドレスに何かかぶって・・・
地を這うようなダンス・・・というか、絶望的な暗いダンス。

「は〜、キツイだろうなぁ・・・。あたしにゃ、無縁だ。」
最初はそう思った・・・・・・。

ところが、夏にあったすしおさんのお茶会ですしおさんが
「ソロを踊らせてもらえるんです。」と告白した。

これは裏を返せば「来なきゃ、損する、後悔するよ。」だった。
いや、「来い。」という誘惑の言葉だった。

そのお茶会が7月の末・・・公演は11月の末。
4ヶ月も先のこと、行く気になっても実感はない。
その間、いろいろ忙しかったりした。
(たいそうなことないのにな)

気がついたら、宙組公演が終わり、月組公演も終わり、花組公演も終わり・・・
星組公演が始まっていた・・・・・・・。すごいことだ。
その花組公演を見て、にわかに行きたいモードが加速し始めた。

さお太のダンスを見てしまったから。

「すしおさんが出る、さお太が出る・・・燦ちゃんも出る・・・。
 グラバーさん(ちー坊)も出るやん・・・。豪華やなぁ。」

もうこの時、すでに早く見たくてたまらなくなっていた。
だが・・・その「早く見たい」という気持ちは「○○が出る」という
個人的なミーハー心からのみ来ているものだった。

当日、友人からチケットを受け取って・・・いそいそと席へ座った。
ヒトリだったから・・・ちょっと不安だったけど・・・
「あんたココ座ってすしおさん、堪能し。」と・・・
見やすいいいお席をもらったのでうれしかった。

******

さて・・・いよいよ開演。
第1部 『灰色の輝くとき』(シャルル・アズナブール作品集より)
舞台の上にはいくつかのスタンドライトといくつかのソファがあり、
各組の出演者が全員ではないが、それぞれの衣装を着て・・・
パーティ会場で談笑している・・・という設定。
一際華やかな水色の衣装を着た水がヒトリ上手から登場し、ほぼセンターにある
スタンドライトに・・・懐かしそうに・・・物寂しそうに・・・手を触れ・・・
そこから全てが始まる・・・といった感じだった。

●トレアドール
花組:大伴れいか・高翔みず希・眉月凰・愛音羽麗
ピンク・パープル・水色・グリーンのサテンっぽいひらひらのブラウスに黒のパンツ。
この曲は星組のエンカレで涼紫央が歌った闘牛士の歌だった。
ここですでに私の予想は大きく外れた。
「アキコカンダのダンスは絶望的なイメージのダンス」という予想。
どこかしら苦悩しているものの希望の見えるようなダンスだった。
4人が踊り始め、すぐ引き込まれた。4人が踊り、さお太が踊り、大伴さんが踊り・・・王子・・・そしてみわっち・・・と少しだが順番にソロもあった。
そのソロのそれぞれのラスト少しを次の人と一緒に踊り・・・そしてフリーズという
シンプルさの中にも変化のあるものだった。
4人だと多少のズレが気になるものだが、全くズレることもなく、
手の上げ方、足の高さ、回る時の腰の高さ・・・全てにおいて寸分の狂いもなかった。

客席はここですでに舞台の雰囲気に巻き込まれていた。
踊り手が戻る時に後ろで談笑している人たちが少しずつ場所を動いていた。

●二羽の鳩
花組:花純風香・雪組:澪うらら
たまご色のやわらかいドレスを着た2人。
ダンサー2人が踊るとたった2人なのに空気が変わった。
かわいらしく軽やかに踊った。双子の姉妹のようだった。

●2つのギター
宙組:寿つかさ
待ってましたっ!!!
赤い・・・さお太たちと同じデザインの赤いブラウスに黒のパンツ。
なぜ、ギターなのか、わからないが、情熱的でそれでいて力強く、
時には哀しそうな・・・そんなダンスだった。
ソロなのにすごい迫力だった。
いつもの犯罪的な妖しさではなく・・・でもどこか不思議な雰囲気だった。
自分で自分を抱きしめるような振りや祈りすがるような振りでどこか官能的な雰囲気。
冷たい夜の石畳の街が見えるようだった。
ラストが悲しみから希望に向かって・・・という感じがした。

●レスト
花組:絵莉千晶・水月舞・涼葉らんの・隼颯希・桜一花
やらわかいベージュのドレス。
本公演ではまず見られない組み合わせだと思った。
5人が全くずれることなく、風に乗っているかのようだった。

●シルヴィ
雪組:天希かおり・麻愛めぐる・牧勢海
黄色・薄いピンク・水色のまた同じブラウス。
ちー坊が安定感のあるダンスをするのは知っていたが
こんなに優しいイメージで踊るのを目の当たりにしたのははじめてのような気がした。
ちー坊とマチカクンは背の高さが全然違うのに
全くその差を感じさせないマチカクン。
またそれぞれがセンターで踊る・・・という部分があったが、
牧勢さんも力強いダンスを見せてくれた。
「あー、こんなダンサーさん、いたんや・・・。」そう思った瞬間だった。

●ヴェニス
花組:舞城のどか
薄いベージュピンクのドレス。
花組エリザのマデレーネ。
ソロを踊るくらいのダンサーさんだったんだ・・・と驚かされた。
チャリオのさよなら公演でりらりらと官能的なダンスをしていたが
こんなダンサーだったとは思わなかった。
花の精のような雰囲気で舞台いっぱいに踊っていた。

●ラ・マンマ
宙組:鈴菜沙也・月城美咲・芽映はるか・織花なるみ・美羽あさひ・大海亜呼・鮎瀬美都
赤を基調とした7人それぞれ色の違うカクテルドレス。
今までの娘役たちのダンスとガラリと変わり、大人の雰囲気のダンス。

●エートル
宙組:水夏希
ヒトリ少し華やかな水色の裾にドレープのついた燕尾。
ミズがダンサーだということは誰もが知っている。
だが、こんなにミズのダンスをまじまじと見たのは初めてだった。
スピードがあり、キレがあり・・・「本当にダンサーだ。」と何度も思った。

●八月のパリ
宙組:貴羽右京・天羽珠紀・悠未ひろ・夏大海・巽希和・風莉じん・真木薫
潮和歌・十輝いりす・天翔ゆうり
白いブラウスに赤のサッシュベルト・・・黒のパンツ。
比較的下級生ばかりの10人。
しかも名うてのダンサーとして今までに舞台で活躍してきた人はまだいない10人。
今までの曲は全てどちらかというとスピードがあった。
ダンス自体もテンポがあった。
だがしかし、この10人に課せられた曲と振りはおそらく1番難しいだろう・・・というものだった。
とてもゆるやかに曲が流れる中、右足を軸に左足と両手をキープとか
軸にしたまま、体勢を変えるとか・・・空気が一瞬にして張り詰めた。
ましてや比較的身長の高い生徒たちばかりで10人がとてもひしめきあっている。
10人しかいないから、1人バランスが崩れたらとてもよく目立ってしまう。
1部で1番緊張したナンバーだった。
彼女たちも一人一人の表情にするどい緊張が走っているのがわかる。
そんな中、1人雰囲気が違う人がいた・・・夏大海ちゃんだった。
緊張感の中にも表情が豊かだった。

一通り、踊り終わり、またミズが1人、前に歩み出て・・・少し踊り、
舞台少し、奥にある・・・最初に触れたスタンドライトに手をかざして・・・
終わり・・・だった。まるで回想シーンのようだった。

息をつく間もないまま、1部が終わった。
終わった時「これ、アキコカンダの振付?」と改めて思った。
モダンダンスといえば、私の知っている限りではどれもこれもどちらかというと
苦悩していて、絶望的で、哀しみをたたえていて・・・というイメージだが、
全く全てがそうではなかった。
ただほとんどのナンバーの最後は両手、もしくは片手が天に向けられていた。
手を差し伸べる・・・というか、“最後に見えた希望の光”というか・・・
そういう振付けだった。

さてさて・・・ここから2部〜4部まで一気である。
●第2部・・・花組 『連鎖』 A・ピアソラ
ピアソラの耳慣れたナンバーに乗って緑っぽい水色のレオタードドレスに
帽子をかぶった花組生が一気に踊りだした。。
連鎖・・・というだけあってみんな繋がっている。
とてもスピード感があり、そんな中でもまた全くのズレなどなく、
足をあげる高さや越の位置までもが全て統一されていた。
幾人かに分かれて、ソデに入っては、出てきて・・・という繰り返しを
さお太・大伴さん・王子・みわっち・千晶ちゃん・園加ちゃん・・・
他のソロが組み込まれ、時には力強くに、時にはゆるやかに・・・と、
次から次へと繰り広げられる連鎖的なダンスに・・・
気がついたら見ている私が肩で息をしていた。
動悸が激しくなっていた。
あまりのすばらしさとあまりの一糸乱れぬ様子に涙が出た。

ソデに入ったかと思うと出てくる・・・一体、全員で何人いるんだろう???
と思わせるくらい・・・迫力があった。
どれぐらいの時間が経ったのか・・・長いのか短いのか、わからないくらいだった。
男役でも女役でもない、ダンサーたちがここまでナニヒトツ無駄なく、
24人全てが当り前のように・・・乱れることもなく、踊っている。
まさかこんなことで涙が出るとは思っていなかったから、驚いたが
全く・・・・・・度肝を抜かれた・・・と思った。

全ての動きがぴたっと止まり、暗転。
しばらくの静けさののち、拍手が沸き起こった。
本当に信じられないくらいの感動だった。

●第3部・・・雪組 『白のコンチェルト』 E・ミルズ
さっきとうって変わってスパ―――ンと抜けるような明るさの舞台。
ちょうど『WSS』のバレエの幻想のシーンのよう。
雪組生21人と花組から花純風香ちゃん・・・総勢22人。
白いレオタードドレス。
とてもまぶしい・・・。
前列にマチカくんと風香ちゃん。
とてもうれしい並びだ。同期のダンサー。
まさかこの並びが見れるなんて・・・そう思うと本当にうれしかった。
こちらも優しい中にも躍動感があり、見ていてとても楽しいものだった。
何よりもモダンダンスでは見たことがない・・・みんな笑顔。
その笑顔が「踊ることが好き。」と言っているようでまた涙が出た。
また何人かに分かれてのダンスがあり、ソデに入ったかと思うと出てくる。
3人が飛ぶ・・・高さがぴたっと決まる。
白いドレスのすそがひらひらとまわり、ただそれだけなのに華やかだった。
「こんなモダンもあるのか・・・。」って初めて見るタイプのモダンに驚いた。
スピードが落ちることはなく、全速力のようなダンスが続き、
群舞の美しさ、楽しさを改めて知り、楽しむことができた。
少しソロがあり、ちー坊が確かなダンスを披露。
下級生たちも少しずつのソロをいともさらりとやってのけて、見所満載だった。
「こんなに楽しそうにうれしそうに踊られると見ているだけで楽しいよ。」と
素直にそう思えたナンバーだった。

●第4部・・・宙組 『ボレロ』 M・ラヴェル
黒のレオタードタイツ。総タイツ・・・。
先ほどまでの抜けるような明るさから一転、
くらい中にみんな低い体勢・・・。「ああ、これがアキコカンダだ・・・。」
最後の最後にそう思った。
曲は誰もがよく知るボレロ。
短調な中に起承転結がある。難しい。見ていても難しい。
「息、していないんじゃないか・・・。」というくらいの空気の中で踊る宙組生。
総勢31名・・・多い。これだけ多ければ多少の狂いが・・・と思うのだが、
「どうやったら、一分も狂わずできるの?」と思うくらい全く乱れがない。
無機質な力強さ、もがき苦しむ様子、あきらめ、希望・・・
全てが込められていた。
上級生からわずか研2の下級生まで・・・。
ダンス力はわからないものの、舞台で魅せる・・・という部分のキャリアは差がありすぎる。
なのに、その違いを全く感じさせることなく、ヒトツの塊のような群舞。
なんだかもうワケがわからなかった。

吸い込まれるような・・・飲みこまれてしまうような・・・そんな群舞ばかりだった。
とてもしなやかで、それでいて躍動感にあふれていたり、流れるようだったり・・・。
重心がぶれないから、まるで地面と足が繋がっているようにさえ見えた。
すしおさんやさお太やちー坊は特にそれが顕著だった。
いや、もちろん、下級生でもそうだったけど。
キレイなフォルムで踊るのは比較的上級生のほうが多いから違った意味の安定感もある。

全てが終わり、3組全部が・・・下級生から登場し、拍手喝采だった。
ずらりと並んだ・・・総勢77人・・・・・・。
こうして見ると身長差がかなりある。
当り前だ。男役から娘役までいるのだから。
でも見ている時はそんなこと全く感じなかった。
最後に各組の上級生が4人くらいずつ出てきて挨拶。

私は立ち上がりたかった。立ち上がって拍手したかった。
私は泣いていた・・・。グズグズ泣いていた。
隣の人に覗き込まれた・・・・・・。
「一体、何回カーテンコールあるんだろうか・・・。」と思った。

・・・・・・・・・・・・なのに、カーテンコールはたったの1度だった。
すごく淋しかった。
なんでやのん?あんなに感動したやん。すごかったやん。
公演中からみんなお稽古してきはってんで。
ちょっとやそっとの群舞ちゃうで。すごいレベルやったやん。
ほんまにすごかったやん。

そう思った。
とぼとぼ歩いていたら、「カーテンコール1回ってウソみたいやな。」という声が聞こえた。
「バウとかでもくどいくらいカーテンコールするのにな。」とつぶやいている人がいた。
思わず「せやろ〜?」と言いたくなった。

ホントにすごい公演だった。
甘く見ていた・・・というか、「どうせ・・・」と思っていた自分がバカだった。
ホントは「ブラボーっ!!!」って叫びたかった。
1番後ろの席だったら、立ち上がっていただろう・・・私。

今回、思った。群舞で踊っていても一際異彩を放ち、
知らないうちにでも視線を奪われるのはさお太だ・・・と。
確かなフォルムで、静かなオーラがある。
すしおさんはどちらかというとインパクトの強いオーラ。
“静”と“動”なら、さお太が“静”、すしおさんが“動”。

もう一度見たい・・・もっともっと見たい・・・・・・。
そう思ったけど・・・それじゃ生徒の身が持たないや。



2002年11月27日(水) カフェブレイク・・・彩乃かなみちゃん

今日は関西地区でのカフェブレイクの日。
毎週は見ないけれど、新聞を見て「今日は○○か〜。見よっと。」」という感じで見る。

今日は彩乃かなみちゃん。
「見るぞーっ!!!」と思い、10時からテレビをスタンバイさせて待機。
そして10時半になった。
「タマルの子守唄聴けるかなー。」と楽しみにしてテレビの前に座った。
「あー、かなみちゃんだっ!!!」
宝塚には見ているだけで思わず微笑んでしまう生徒がいる。
かなみちゃんもそのヒトリ。
まずはショーのお話・・・。
「なんでショーからやねん。早くタマルの歌聴きたいやんかっ!!!」と思いつつ、
パリのシーンの歌のお話・・・・・・。

・・・・・・と、そこで電話が鳴った・・・。
「ええっ???誰やねん?人がテレビ見てんのに。」
ちょっとやそっとで切れない人だった・・・しかも短くない電話。
電話をしながら、テレビ画面を見る。
でも歌やら話やら聴いているわけにはいかない。
そうこうしている間にタマルの歌・・・・・・。
いやー、この歌のことが聞きたかったのよ。
原曲があるのか・・・とか言うかもしれないって思ってたのよ。

あー、終わっちゃった・・・・・・。
いや、電話は終わらない。

あららー、どうやら新公の話になっちゃってるよー。
でも電話は終わらない・・・・・・。

こんなんだったらビデオ録画するんだったー。

「じゃあ、また電話しますね。」・・・ようやく終わった電話。

「では、CMの間彩乃さんにはサインをして頂いて・・・・・・。」

終わりやんけ―――――っ!!!

楽しみにしていたカフェブレイク・・・。
見事電話にて阻止・・・・・・・タマルよ・・・。


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春吉

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