見つめる日々

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2009年08月28日(金) 
朝一番でベランダを見やる。小さく咲いた白薔薇と蕾たちを愛でつつ、空を見上げる。今日は一面水色の空。雲は東の方に隠れている。
昨夜は寝苦しかったのか、娘が何度も「暑い暑い」と言いながら寝返りをうつ。それでも起きないところが子供なのだなとうらやましく思いながら、私は隣で小さくなっていた。

昨日、電話をくれた友人は、ハムスターを六匹もたてつづけに育てたことがあるらしく、私が流血したと嘆いたら、軍手をはめるといいよと教えてくれた。そこで早速、娘と買いに行った。娘は嬉々として、軍手をはめながら掃除を始める。私が手伝わなくてもとりあえず何とかなるようだった。
そうして今朝、私も軍手をはめて、出てきたミルクに手を差し出してみる。噛む噛む、これでもかというほど噛む。が、私の手には届かず。やーい、噛んでも大丈夫なんだよーん、なんて心の中で呟きながら、しばらく彼女が噛むままにさせておく。
ココアはというと、全然出てこない。鼻先だけが巣からちょこねんと出てくるだけ。まぁそんなこともあるんだろうと、声だけかけて、私は仕事を始める。
今日から弁当は作らなくていい。その分時間が増えた。なんだかちょっと得した気分だ。

今年の十月から十二月には「あの場所から」の展覧会、そして来年一月と六月に展覧会が予定されている。六月の個展に関してはもう準備は殆ど整った。しかし一月の二人展がまだまだだ。ネガをひっぱりだし、あれやこれや選ぶ作業をここ何日か続けているのだが、選び出すという作業は意外と大変なのだ。欲張ってあれやこれや引っ張り出していると机にプリントの山ができる。そんなの飾りきれるわけでもなし、そこからさらに選び出す作業が待っている。これを何度繰り返して展覧会に至ることか。
次の二人展は、今までの展覧会で零れ落ちた作品にできるだけライトを当ててやりたいとは思っているのだが。

そうしているうちに父から電話。朝早くどうしたのだろうと心配になって出ると、今日は何時に来るんだという内容。なんだ、そんなことか、昨日話したじゃないかと思いながら、できるだけ大きな声で答える。父の耳が遠くなり始めて久しい。そうやって年をとっていくのだな、と、実感する出来事。健康を自慢にしている父でも、そういうところが少しずつ年老いていくのだ。そういうものなんだ。年を重ねるということは。

そういえば、昨日電話をくれた友人は、だいぶここのところ調子が良いのだと話してくれた。カウンセリングも自分には合っているようだと言っていた。
省みれば、去年や一昨年、彼女は入院したり友の家に夜中駆け込んだりと、いろいろ大変だった。それが、今、こうして、笑いながらあれやこれや話すことができるようになっている。哀しいことがあった。辛いことがあった。それでも生き延びたから、今がある。
電話を切った後、再会できる日がとても楽しみだなぁと、彼女の写真を机に並べながら思った。

今日から学校。そしてこの週末はまたじじばばの家に娘が出掛けてゆく。さぁ私はどうやって過ごそうか。この写真の山をとりあえず切り崩すことから始めなければ。

あっちの友、こっちの友、みんな、それぞれ、元気でありますように。
玄関を出るとき、その脇で、アメリカン・ブルーが小さく揺れた。


遠藤みちる HOMEMAIL

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