愛より淡く
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ベランダに3つ目のツバメの巣ができている。さっき洗濯物をとりこみにいったら、その巣に、二羽のツバメが向かい合って入っていた。
たぶん夫婦だろうと思う。互いのくちばしをくっつけたり離したりして、まるで会話をしているようだった。
夫「もうすぐ産まれるね」
妻「そうですね」
夫「なんとか巣も無事にできたことだし」
妻「お疲れ様」
夫「ちょっと手狭(てぜま)で窮屈だが辛抱してくれるかい?」
妻「雨風しのげれば、充分ですわ」
夫、うれしそうにくちばしを妻にくっつける。
夫「楽しみだなあ」
妻「そうですね」
夫、妻「元気なよい子が生まれてきますように」
夫、妻「あら、おんなじことを思っていたのね」
夫、妻、顔を見合わせて笑う。
なあんてことをボンヤリ想像しながら洗濯物をとりこんだのだった。
ツバメでもおしどり夫婦とはこれいかに。
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