愛より淡く
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2002年07月05日(金) 届かない手紙

今のところ二階の子供部屋は、物置きになっている。3月の火事騒ぎで、急きょ一階のひと部屋を夫の両親のために開けなければならなくなったため、そこにあった荷物を二階の子供部屋に運んだので、さらにその物置き化が進んでしまっていた。

使っていない二段ベッドには、ところせましとありとあらゆるモノが置かれている。そのほとんどが私と子供たちのガラクタのようなもの。

嫁ぐ際に私は、自分の部屋にあった雑記ノートや便箋を処分した。それは、ダンボール箱いっぱいでも足りないくらいの量だった。全部燃やそうと思ったけれど、家の人に知られるのもいやだったので、結局ノートを数枚ずつはがして、それをまた小さくちぎってゴミ袋の中に放りこんで行った。この手作業はものすごい時間がかかった。

便箋に書いてはみたものの、それを切り離すまでには至らず、そのままにしてまた新しい手紙を書いてはまた切り離せずに、と、そんな感じで気がつけば、便箋1冊にまるまる出せない手紙を書き綴ってしまっていたというようなことがよくあった。便箋というよりは、その人にあてた手紙形式の日記帳みたいになってしまっていた。

当時の私は、自分の行き場のない思いを便箋に綴っていた。だけど書き上げたものを切り離してたたんで封筒に入れるということころまでは進めなかった。
なんとか封筒に入れるところまでできても、宛名すら書けず机の奥底に眠ったままになっている手紙もいくつかあった。

もちろんえいやーーっと気合いを入れて届けることができた手紙もあることはあるけど。そういう手紙は核心にはふれることができずに、あたりさわりのない内容のものばかりなりけりだった。

投函できた手紙は、ほんとうに氷山のごくごく一角で、私の部屋には出せない手紙便箋などが大量に残っていた。

と、いうわけでそのほとんどは処分したけれど、どーしてもどーしても捨て去るのにはしのびなかったものだけ、持ってきてしまったのだ。

それが数冊のノートと便箋と手紙だった。




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テキスト庵さん