愛より淡く
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2003年04月15日(火) 創作日記 桃色の線(愛染中学女子生徒大量失恋事件など)

実は、私には特殊能力がある。

超能力といってもよいかもしれない。

しかしこんな能力があっても日常生活でなんの役にも立たない

いやむしろ、不都合なぐらいだ。

私が、自分のこの能力を発見したのは中学生の頃だった。

たしか二学期の席替えの時のことだ。

そのころは、グループ学習をしていたので3人ずつ机を向かい合わせに
くっつけて座っていた。

その時だった!!

私のとなりのA子ちゃんの左手の薬指と、その向かいに座っていた野球部のエースTくんの右手の薬指をつなぐ桃色の線が見えたのは。

その桃色の線を見た瞬間私は、予感がした。それも確信に近い予感だ。

「このふたりは、近い将来、恋仲になる!!」

予感はもちろん的中した。


当時Tくんは、女子生徒のあこがれの的だった。二人の仲が発覚した時
大勢の女子生徒が、ベランダでおいおい泣いた。名づけて、愛染中学女子大量失恋事件。


そうなのだ。

その時から私には、見えるようになったのだ。

互いに思いあっている、または近い将来思い合うようになる男女をつなぐ
桃色の線が。


いつも通る商店街の八百屋のおじさんの左手の薬指ととそのななめ向かいの乾物屋のおばさんの右手の薬指をつなぐ少しくたびれた感じの桃色の線も見つけた。


のちのちこのふたりは、お互いの家族を捨てて駆け落ちすることになった。

商店街はしばらくその噂で持ちきりだった。

また、ある日カットしてもらいに近所の美容室「モダン」に行った時
そこのアシスタントの女の人の右手の薬指と、たまたま会社から帰宅したそこの美容室の先生のダンナさんの左手の薬指ををつなぐかなりよじれた感じの桃色の線を鏡越しに見てしまったことがある。

のちのちそのダンナさんは先生を捨てそのアシスタントといっしょにどこかに蒸発した。


そんな感じで見たくなくても私には見えてしまう、桃色の線なのだった。


一番ショックだったのは、学生時代大好きだったあの人の左手の薬指につながる桃色の線を見てしまった時だろうか、あまり思い出したくない、もっとも忌まわしい記憶となってしまった。

なぜならその線は、その線は、うぅぅぅぅ(思い出し泣き)






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仕方ないのかな、究極のナルシストだったし。とほほ。







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テキスト庵さん