愛より淡く
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2003年05月29日(木) 創作 甘くておいしい思い出 あんみつ日和

私は、その人を「あんみつさん」と呼んでいた。

その人は、資産家で山をいくつも持っているということだった。

私たちは、ハンバーガーショップで、たまたま相席することになり、それが縁で、親しくなった。指をケガしたはったので、バンドエイドをあげたのだ。


私は、その人に多いに気に入られた。

その人の初恋の人に私が、どことなく似ていたらしい。


バイト先にわざわざきてくださって、先日のお礼にと、お菓子の詰め合わせをもらった。


それから私たちは、よくとある地下街の「甘いもの屋」さんで待ち合わせすることになった。

あんみつを食べながらしばし楽しいひとときを過ごす。

その人は、それはそれは楽しそうにいつも私に昔話をしてくれた。
私は、それを、あんみつを食べながらふむふむと聞いていた。

店を出るときにあんみつさんは、いつもおこずかいをくれた。

「これで本でも買いなさい」

それは、好きな本を何冊か買ってもまだ充分にあまる額だった。

いっしょにあんみつを食べるだけでそれでいつも、じゃあまた。と
別れるのだが、

あんみつさんは、いつもその店を出るときに
私におこずかいをくれた。

「これで本でも買いなさい」

もちろん私は、それで本も買ったけれどサマーセーターも買ったし財布も買ったし靴も買った。スーツも買った。

うそみたいだった!!

私はその人といっしょにただ、あんみつを食べるだけで、
はんぱでない額のおこずかいをもらえたのだ。

ついには、車まで、買ってしまった。

でも、宝石とか貴金属にはぜんぜん興味がなかったので買わなかった。

それから私は、おこずかいがなくなると







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