愛より淡く
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2003年10月20日(月) 不機嫌な家族 2

「なんかここ寒くない?スースーするねんけど」

あまりに寒くてそう言って、家族の同意を求めようとしたけど。

ほかのみんなは、ぜんぜん、平気みたいだった。

もしかして寒いのは私だけ?

いや寒い、明らかに寒かった。

ふっとはるか上をのぞくと、窓が開いていた。


背伸びしても、とうてい届きそうにない高さにある窓が開いていたのだ。

そこから冷たい風が吹きつけて私が座っているところにまともに当たるのだった。

「寒いわ。ここまともにくるわ、ちょっと場所かわって」

と、夫と子どもたちに訴えたが、誰もかわってくれなかった。

冷たすぎ。風も家族も冷たすぎ。でもよく考えたら、誰もそんな場所にかわりたくないよね^^。ははは。


店の人を呼ぶのも気がひけたので、仕方ないのでブラインドを引いてみると
それが風よけになってさっきよりはいくぶん寒さがましになった。

それから焼肉用のコンロに手をかざしてあたたまることにした。

なんでこんなことまでせねばならないのだ?と少しなさけない気持ちになった。


夫も子どもたちも次から次へと料理を運んできた。

お寿司でしょ、エビフライでしょ、お味噌汁でしょ、ギョーザでしょ、
スパゲティでしょ、サラダでしょ、から揚げでしょ、あとあといろいろ。

「ほら、ほかほかの卵やで、滋養つくで、ありがたいやろ、蛍の墓を思い出しながら感謝して食べるんやで。ありがたい。ありがたい。はい食べ、はい食べ」

と、オムライスを運んできた夫が無理やり食べさせようとした。


どうでもいいが、どさくさにまぎれて突然「蛍の墓」が出てきたところが、妙におかしかった。

ので

「あはは、なんかその言い方おかしいわ」と言って笑った。


ふと横を見ると、やはりうちらと同じ家族構成の4人家族が、黙々と料理を口に運んでいた。

みんな恐ろしくつまらなそうな顔をしていて、ニコリともせず、黙ってうつむいたままで、ひたすら料理を口に運んでいた。

よくよく見ると、なるほど、







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もしかしたら、これってごくごく普通の光景なのかしら?ようわかりません。が、その時の私はものすごく異様な光景に感じてしまったのでした。





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テキスト庵さん