愛より淡く
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独身時代。私はこの悪循環をなんとか断ちたい、このなんともいえない息苦しい状況から逃れたいと思っていた。
そしてできれば誰ひとり私を知る人のいないところで出直してみたいとも思っていた。
なるべく遠いところに行きたかった。
できれば空気のよいところで、人があまりいないところ。
もつれにもつれたうっとしーしがらみを一切がっさい断ちきってしまいたかった。 そのためなら、立つ鳥跡を濁しすぎたってかまわないとさえ思っていた。
なんだかね。当時はなにもかもに疲れてしまっていたのでしょうね。擦りへってしまっていた。
ああうっとし。ここから一刻も早くおサラバサラバしたいなあ。って思っていた。
そのための手っ取り早い方法が結婚だった。
だから私は手当たり次第に見合いをした。
でも現実はうまくいかなかった。
見合いにもほとほと疲れ、仕事にも疲れ、職場の人間関係にもうんざりして、本当ににっちもさっちもいかない状況だった。
そんなある日の日曜日に我が家に一本の電話がかかってきた。今の夫だった。
まさに灯台元くらし。
ひょっとしてこの子、そこそこいけんのとちがうか?気立てもよさそうやし、丈夫そうやし、それよりもなによりも私に「ほ」の字みたいやし。
よっっしゃ!!!いちかばちかこの子にかけてみよか。
と、手を打った。
中略
もともと私は、物事深く考えないというか考えられない性格のようで、そのために失敗ばかりしてきた。なのに全然こりずにここまで来てしまった。
果たしてこれでよかったのだろうか?
しばし自問自答する。
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