愛より淡く
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空ははどんより曇っていて
風はなく
ものすごく暑い
外では草刈り機の音が鳴り響いている
知り合いの草刈り機の名前が「マサオくん」だったということを
ふと思い出し
5秒くらい楽しい気持ちになる
それでも落ち込んでいることに変わりはない
この落ち込みにはさまざまな要因が混ざり合っている
ひとつは
仕事のこと
ひとつは
日常のこと
もうひとつは
とるにたらないこと
だと無理に思い込もうとしていること
あの頃に戻りたい
文化祭
高校の校庭で
空を見上げながら
いっしょに
アイスクリームを食べた時のこと
スカイバニラだったっけかな?
青い青い空だった
たぶんあの時あの子は
鉄棒の上に腰掛けていた
落っこちないか心配だった
鉄棒が得意で
字が上手で
ニーチェと同じ誕生日で
あと、
なんだっけ?
そうそう
詰め襟の
学生服が
とてもよく似合っていた
私を見つけると
いつもあの子は
うれしそうな顔になった
だけど私はきっと
あの子を見つけると
あの子よりもっと
うれしそうな顔になっていたに違いない
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