嫌いな食べ物「キュウリ」
風邪を引いています。嗚呼また。今度はまるでウィスパァ・ヴォイスのようになってしまいました。誰も私の声を聞くことが出来ない。雑音に掻き消されて、本当のところを聞くことが出来ない。其れはとても幸運なことのように思われる。
友人たちとの、飲みを始発までやった私は、余りに食べられない、余りに喋れない、余りに歌えない所為でずっと自分の世界に浸っていた。
貴方のことを考えていた。
性格が好かないのなら何故私の隣に居る。何故私の言葉を聞こうとする。道を私の性格が塞ぐのなら、そして其れでも私と貴方がこの道を進もうと望むのなら、道を塞ぐ石を退かさねばならない。其れは私の生を形作る性格を退かすことに他ならない。
私は女々しいだろうか。誰よりも、貴方よりも、私を愛している。生を取り上げる行為は私の涙程度では表せなかった。ねえ私は女々しいだろうか。ねえ私は弱すぎるだろうか。ねえ私が泣き声を一つも出さずに呼吸困難になっているのを貴方はきちんと、見た?
「其れなら死ぬしかないと思ったから。」
意見の超越だと思うだろうか。一般という世界に入る人は。そして貴方自身は。私の世界は狭いに違いない。其れの何処に誰かが文句の付けようがある。誰もない、そして私は私の閉ざされた道を立ち止まって見学しているのかも知れない。愛し過ぎた色々なものの、どれしもを排除することが出来ずに。
貴方は気付いたか。
私が死ぬ他に、貴方を殺すという選択肢があるということ。
誰か愛している人が居るのなら、一般的に考えられ得る虚無の妄想である。
さくま