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嫌いな食べ物「キュウリ」


2002年08月15日(木) 幸か不幸か

 彼は、こう言った。「お前は誰よりも遥かに頭が良い」
 彼女は、こう言った。「貴方の感性はずば抜けている」

 彼は、こう言った。「力というものは溜めてこそ出るものだ」
 彼女は、こう言った。「次の時代を担うのは確実にその技術だ」


 私は幸せだと思う。不幸だとも思う。幸せか不幸か、その尺度は比べる対象によってがらりと変わる。ある時に私はとても幸せだし、ある時に私はとても不幸になる。これは私に限ったことではなくて、誰しもがそうなのだろうと思う。

 自分の現状に甘んじることは堕落することと一緒なのではないかと思う。けれど最近遠くを見過ぎるのは自分を小さくしているのと変わりないのではないかと思うようになった。
 自分のなりたい遠い未来を眺め通すと卑屈になる。遠過ぎて方角が分からないのだ。方角が分からなければ道が分かる訳がない。結局どちらの足を先に出せば良いのかすら分からずに遠くの光を眺めながら足元にある雑草を不味そうにしゃぶる羽目になる。そしてその光は自分の頭の中から飛び出した光だとは限らない。往々にしてその光というものは他人の背中に過ぎないことが多い。

 自分の今の状態、環境、その他諸々を他と比べずに満足したり不満足したりすることは難しい。

 私はその問題に多々直面するが、その度に「自己性」とは先ず比べるものが無になったときにこそ言うのではないだろうかと結論を出してみる。これは容易なことではなくて、私は一生悩んで卑屈になり、高飛車になり、生きていくのだろうと思う。


 多分、私を今、一番悩ます問題は此処にある。


さくま