また家庭教師です、明日新しい生徒さんの所へ。今度はヤンキーだそうだ…。中学生二年生がねえ…。まぁ治安が悪い地域なのでしょうがないと言えばそれまで。会社の方からこのままだと公立高校には受かれない成績の悪さだと説明されたけれども大丈夫だろうか。…。不安だ…。
　それから最近煙草の煙が多い気がする。冬だから？湿気が少ないから？　不思議。いつもはこんなに煙草の先から煙は出てない筈なのに。



　私の嫉妬深さと支配欲は人並みじゃ無いようです。というよりも寧ろこれはレディファストとか親切とか優しいとかの次元を超えている。異常だ。


　苦悩紛れに貴方を檻に入れてもう一歩も外に出してやりたくない、と言った。
　貴方は俯いて小さな声でそうして、と言った。
　深夜の、真っ白いバスルームでの出来事。


　私と貴方の欲望は一致し過ぎている所がある。度を過ぎていくことが怖い。いってはいけないと思う。けれど二人になると欲望に何処で歯止めを利かせれば良いのか、その価値観を失ってしまう。


　ロープで縛ってしまいたい。椅子に縛り付けてしまいたい。目隠しをしてしまいたい。手錠を掛けてしまいたい。快楽に叫び声を上げさせたい。泣きながらせがまれたい。
　ロープで縛って欲しい。椅子に縛り付けて欲しい。目隠しをして欲しい。手錠を掛けて欲しい。快楽に叫び声を上げたい。泣きながらせがみたい。



　時に欲望が一致し過ぎて眩暈がするよ。





　雑音が聞こえなかったら。何も知らなかったら。何も知られなかったら。誰も知らなかったら。世界に二人だけだったら。…未来の行く先全てが同じで、行く先全てに二人しか入ることが出来なかったら。鋼鉄の部屋と、鋼鉄の廊下と、鋼鉄の家という世界だけだったら。



















　ねえ知ってた？普通のカップルは「餌付け」とは言わないらしいよ。「あーん」と言うそうだ。箸から相手の口へ。スプーンから相手の口へ。フォークから相手の口へ。口から口へ。私たちは餌付けと言う。

さくま