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嫌いな食べ物「キュウリ」


2004年03月05日(金) そんな話

それは一つのものを象るらしい。
そうしてそれが壊れたあとに、
何かとても不可思議なものが、
そこから抜け出て霧のように散っていくらしい。

魂とか、
精神とか、
そんな単純な、
そんな下らないものじゃぁない。

散るその瞬間に、
酷く瞬いて人の目を焼き潰すらしい。

ほらあそこ。
ほらあそこ。
ほら、
ほらまた。

そんな風にあの人は、
優しく光り散るそれを教えては、
私の目を一つずつ、
そうして潰していってしまった。

だからきっと、
私はその象る何かが、
一体何であるか、
もうその光を見ることのできない所為で分からない。

ねえ、
もう教えてもらっても、
何も見えないんだ。

「ほら、
ほらまたあそこ。」


さくま