格闘技バブルに思う。

格闘技イベント(プロレス含む)を年末年始にいくつか見て思った。
格闘技、プロレスに限らず、頭の悪い、バカな選手はトップに立つこ
とが出来ないということだ。
バカってのはここでは、「自分の見せ方=商品価値の高め方」がわか
らない人を指す。

例えば、高山義廣というフリーのプロレスラーがいる。
この人は、自分のおいしい見せ方を常に考えている。
言い換えると、客が自分(プロレスラー)に求めているコト・モノが
なんなのか良く知っている。

例えば、PRIDEでのドン・フライとの殴り合いであるとか、それ
のコピーとでも言うべき、ボブ・サップとの殴り合い。
ミルコ・クロコップが相手でなければ試合には出ないと言い、本当に
出なかった(解説として参加)イノキ・ボンバイエ。
殴りあった二試合について言えば、彼はおそらく勝敗よりも「インパ
クト」を優先した。

ゴング開始と同時にひたすら顔面を殴りあう。
顔は腫れ、血が飛び散る。
プロレスラーとして違う土俵に出た男は、アドバンテージがおそらく
相手にある状況で「試合をもらう」のだ。
この壮絶な喧嘩を見た観客は間違いなく高山を記憶する。
そして次も高山に期待する。

だからこそ高山は、ミルコとの試合が流れたことで参加を見合わせた
のだ。
試合を二人でやる限り、相手のネームバリューは「客の期待感」を煽
るうえでは重要なアイテムだ。
そして内容のある試合を見せることで、自分の価値を高めていく。

その証拠に、無名時代のサップとの対戦を高山は一度拒否している。
その後、サップというフルーツがうまい具合に熟した。
そこで、おいしくいただいたというわけだ。

見られる人間にとって最も重要なことは、記憶させ、期待させ、そして
それを裏切らないことではないか。
プロレス界を見渡す限り、そのことを意識し実践する勇気、行動力を持
つ人間は少ない。
考えつく限りでは、3人。高山と新日本プロレスの若手 中村真輔。そ
して、アントニオ猪木だけである。


御大の場合、ひょっとしたら何も考えてないだけかもしれないが。

2004年01月06日(火)

コプーさんの三日坊主。 / コプー。

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