ハニハニィ

2003年09月23日(火) 「ラブヘア」

中途半端なくせ毛をわたしがどうしても愛せないのとおんなじように

あの人はわたしのこと愛してくれないのかな

なんて思ったら

悲しくて

鏡の前で

ジャキジャキと

肩下まで伸びた

あの人が好きだと言った

だから伸ばしていた髪の毛を

切り捨てた



あとで、お母さんに「排水溝が詰まるでしょ!」と怒られた

髪の毛も 無残だった

とても、出歩ける姿じゃなかった

そしたらお母さんが

「こっちいらっしゃい」って言って

断ち切りはさみで

またジャキジャキと切りそろえてくれた

小学生のころのような見事なおかっぱだった

でも

なんだか

すごく軽くなった

風が吹いて

散らばる髪の毛が

恋の残骸みたいで

切なかったけど





まぁ、美容院に行って

また切って

もらった

わけだけど





「何、おまえ。その髪型」

「ていうか、時代先取り」

「なっちゃん、今はロングが流行りだよー」

「だから先取りだって。またショートが流行るんだって、いづれ」

「ちゅーか、お前、ずっとショートだったよなー。うん、なんかそのほうがお前らしいわ」

「やっぱりー?自分でもそう思うわー。シャンプー楽だし、なんで今まで伸ばしてたんだろー」

「私、なっちゃんのロングも好きだったのにー」

「オレは、今のお前のほうが 好 き ★」

「北原、キモー!」

「うっせ、バーカ。ナミコに言ってんじゃねんだから、ほっとけ!」








いまどき 失恋で 髪の毛を切る なんて

ださい かっこわるい バカみたい

でも

わたしのくせ毛には

ショートがにあう

あの人の彼女は きれいなストレートだった

ただそれだけ








北原が

髪の毛にふれた

その先端から

死んだ細胞たちが

ざわめきはじめ

わたしは

恋を失くす

ことができない

ことを悟った


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きーこ [MAIL]

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