こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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2004年12月05日(日) |
お伽話【流れ星を食べる怪物】 第四話 |
第四話
怪物を懲らしめ、 意気揚々と村に帰った村長始め若い衆。
邪魔者は消え、 今日こそ流れ星に3回願い、 雨を降らし、この大飢饉から村人が救われると 信じていました。
そして太陽が沈み、夜は更けていきました。
村人たちはいつものように夜空を眺め、 流れ星が来るのを待っていました。
村人S『早く流れ星来ねーべか』
村人たちが空を眺めていると、 キラリと光る大きな星が現れました。 その星は遠くの空から 村人たちに近づくように流れ始めました。
村人T『流れ星だ☆神様の言ったとおり消えないさ!!』
村人たちは一斉に願い始めました。
『村に雨を降らして豊かな土地にしてください。』
『村に雨を降らして豊かな土地にしてください。』
『村に雨を降らして豊かな土地にしてください。』
老人の言ったとおり、 流れ星は消えることなく、 村人たちは3回願うことが出来ました。
それでもなお、流れ星は輝きながら 村人たちに近づくように流れています。 まるで村に向かって落ちてきているかのように。
(これって危なくねえんだべか?)
と、村人全てが思った瞬間、 『ズッゴゴゴー』という大きな音を立てながら、 流れ星は村に向かって落ちてきました。
村長『流れ星がわしらに向かって落ちてきたー!! みんな逃げるんじゃー!!』
村長が叫び、村人たちは一斉に逃げ始めましたが、 逃げる間もなく、流れ星は大きな音を立てて 村を直撃しました。
『ドッカーン!!』 流れ星が落ちた衝撃で、 大きな地震が起き、 たくさんの家が壊れ、 逃げ遅れた村人が生き埋めになりました。
やっとの思いで生き延びた村長始め村人たちは、 何もかもなくなってしまった村に肩を落とし、 涙を流しました。
村長『なぜじゃ わしらは神様の言うとおりにしたのに・・・。』
すると、突然空が黄金色に輝き、 一筋の光が村人たちに伸びてきました。
その光をつたって またあの白髪の老人が、村人たちのもとへ降りてきます。
村人U『神様が来れたぞ!!』
村人たちは老人の元へ駆け寄り、村長を先頭にひざまずきました。
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