こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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まず高橋よ お前はラッキーなのだ
これは決して励まそうとして 大げさなことを言っているのではない
いま置かれている状況を冷静に考えてみよう
30代前半という年齢はとても微妙だ
意味ある仕事を任され楽しくなる反面 家族が増え 将来の不安をぬぐい去れない時期
職場では若造扱いされながらも いざ転職しようとすると 20代までの求人が多く 自分が決して若くないことも痛感する そんなこんなで 勝負に出るか出ないか悩んでいるうちに 結局チャンスを取り逃がしてしまう
そんな時期にお前は 背中を押してもらえたのである。
ただし、背中を押してくれたのはアホ社長ではなく お前の彼女である
彼女と出会い 結婚を決めたことが良い転機をもたらしたのである
高橋はいま家族を幸せにするための努力をすることができる これはとても素晴らしいこと
彼女に感謝しなきゃいけない
高橋が置かれている状況は 当然、不当解雇だし訴訟を起こせばきっと勝てると思う
でもさ あんな会社、あんな社長相手に 時間を費やすこと自体が無駄なこと
だったら家族のために転職活動に力入れるほうが よっぽど有意義なんだと思う
今のご時世であればなおさら 相手を恨みたくなるし愚痴も言いたくなる 溜息もつくしイライラもする
でもそれは決して家族の前で見せてはダメ
高橋の苦悩は高橋家の問題となり 家族も【苦悩の当事者】になってしまう もちろん結婚した彼女も含めてね
高橋が愚痴を言うと 苦悩の当事者にさらなる苦悩を背負わせることになる
そんなの結局悪循環にしかならないよ
愚痴でもなんでも なんかあれば私が相談に乗ろう 慣れない聞き役に徹してやろうじゃないか
平成 2年 1.40 平成 8年 0.70 平成 9年 0.72 平成10年 0.53 平成11年 0.48 平成12年 0.62 平成13年 0.59 平成14年 0.54
この数字、有効求人倍率です
よく見てよ うちらが卒業したあたりの有効求人倍率って 0.48だよ
10人いても採用される人 半分いないってことだからね
うちらはこんなきっつい時代を生きてきたわけ いまとあんまり変わらないじゃん
また、公務員試験の年齢制限を見れば 上限を引き上げているところが増えています
定年退職の年齢が引き上げられていることも 影響しているのかな
なんにせよ 100年に一度の不況って言ったって 全てが落胆する状況ではないってことだと思う
こまめに情報を集めて適切に準備をすれば 十分に勝算はあるんだと思うよ
○-statesでベースやってたもっさい男も 去年あたりに仕事見つけて いま東京で働いてるしね
さて、まとめですが
高橋よ 私が思うにあなたはとても 【まわりの影響を受けやすい人間】だと思う
大学時代から感じていたのだが
ドラゴンアッシュの古谷さんが吸っているってだけで たばこ変えてみたり
マスミさんの好みで 眉毛が細〜くなったり
そのとき環境や そばにいる人間の影響をもろに吸収してしまい 簡単に染まってしまう
これは私の冷静な分析であって 褒めているわけでもないし けなしているわけでもない
それだけ自分が無いとも言えるし 柔軟性があり 環境適用能力や順応性が高いともいえる
ではいまの高橋の環境はどうか
それによって近い将来の展望が推測される
冒頭で言ったとおりお前はいま幸運であり 彼女の後押しにより 大きなチャンスを手に入れようとしている
無理にプラスに考えようと誘導しているつもりはない
いまの会社でマイナスのオーラを吸収し続けるより 家族に恵まれた良い環境で プラスのオーラを吸収する方が よっぽどいい効果が期待できる
彼女だって タバコの煙が充満してるところで働かせるより 高橋に仕事見つかりしだい 早々にやめさせりゃいいんだよ
追いかけても追いかけても 逃げていく月のように 指と指の間をすり抜けるバラ色の日々は
追いかけているいまこの瞬間こそが バラ色の日々だって吉井さんが言ってました
現状を卑屈に考える必要は全くない お前は多少うぬぼれてるくらいでちょうどいいんだよ
前も言ったじゃん
【やってやれないことなどない】
ま、そんなとこかな
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