やぁ、どうしてるのよ、と突然声を掛けられる。遠い昔に別れた人だ。 バツイチになったと風の噂に聞いてたが、再婚したらしい。
互いに安心して飲みに行く。 歳月のおかげで飲める、酒を飲む。
何で別れたのだっけと言われる。 そっちが振ったんだよと言うと。
楽になれると思ったんだよと言われた。
どっちが。そっちが?
そう聞くと、主に自分よねと言われた。
避けられていると思ったんだよ。 でも。 避けられてると思いたかったのかもね。
苦しいのが嫌だったんだろうね。
私自身がね、と。
楽をしたかったんだよ。 いつも別れる時は。
楽をしたいだけなんだよ。 いつも別れる時は。
自己チューなんだよ。 別れる時は。
ただ誰もがてめえ自身を救う気を無くしたら。
この世は亡者の群れになる。
楽をしたかったんだ。 そいつは。
楽をしたい気分なんだ。
桜木に言えることは、こんくらい。
何の役にも立ちゃしねェ。
そんなおのれの役立たずに。 一番感傷的に、なっている。
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