私的正論。

2002年10月11日(金) 雑談の力。

オフィスで働いていた頃は良かったナァ、と思うのは。
特に、会議に提出するための企画書を書いている時。

しょーもない会話から思いがけないアイディアが涌くこともあるし。
異なる価値観、異なる感性の持ち主たちによって、意外な指摘を受けるということも多々あった。
もちろん彼らの企画に対し、こちらからそうした指摘を行っていくことも同じだけあった。

それぞれの性格にもクセがあって。
それぞれがそれぞれの企画に「よし、もうこれでいい」と結論を出すタイミングも違っていたが。
企画会議では揃ってボロクソに言われ合い。
結果、提案は何一つ通らず、互いに説得力の足り無さを自覚し合いながら。
懲りずに成功と昇給を夢見て、次を目指した。

一見無責任な「だってこうじゃないか」「ああじゃないか」といった言葉の応酬に。
独りよがりな発想や言語が磨かれて行くことが、ただ単純に楽しかった。

人は一人では生きていけないと言う。
それは何故なのと。いつか小僧に聞かれたら、こう答えたい。

人は一人では生きていけない。
何故なら。
てめえの頭ン中だけで「思いがけないこと」を起こすのは難しいからだ。

ちゅうか、てめえの頭ン中で、そう煩雑に「思いがけないこと」が起こっちまったら危ねェしヨ。



絶対こうしたらこうだろ、ちゅう思いこみを。
いとも簡単に「それは無いっすよ」「えー。無い無い」等と否定しまくってくれたかつての同僚たちよ。

人が満員電車で押し合いオフィスに出かけて行き。
雁首並べてジッと仕事することの意味。
結局人間にゃ、他人以上の宝は持てねェってこと。



座敷ワラシ。

なぞと一人つぶやいて不気味がられる金曜の午前。


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桜木



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