*-* こころ *-*
もくじ|これまで|この後
私の仕事の都合で予定より遅れた時間に待ち合わせた
何故嬉しそうな顔をしているのは私だけなの?
逢った瞬間から後悔し始めた今回のデート
いつものように食事をかねて飲み屋さんへ
機関銃のように話し続けるわたし
静かに聞いているNobu
お腹が一杯になって2軒目に日本酒のお店へ
お酒を美味しく感じてない自分に気づく
どうして?
Nobuのテンションが上がらないから
自分だけがテンション上がってる事に気づいて
何も話せなくなる私
お店の壁に貼ってある
お酒のラベルを見てる振りしてるうちに涙が出てきた
まだ飲んでる途中だったけど
「終電に乗り遅れちゃうから」って切り上げた
駅まで送ってもらって
車を降りて
「じゃ、ね」
もう終電に間に合わない時間だと知ってたけど
Nobuとこれ以上一緒に居たくなかった
駅から心当たりのあるホテルに電話をして
予約を取った
タクシーで移動して
チェックインして
そのホテルのすぐ側にある
Nobuの友達がやってるお店に向かった
1人では行ったことがないお店
たどり着けなければ
縁がないんだと思った
午前零時を回った暗い道
寂しさと
切なさと
怒りを感じながら
歩き回る
目の前に見えるお店の看板
不思議な事にちゃんとたどり着けた
店の扉を開け覗いてみる
月曜日だからか
店にはNobuの友達であるマスターだけだった
前に座った席に座り
ビールを注文し
マスターは見覚えがあるのに私のことが思い出せないらしく
当り障りのない話をしながら
頭がフル回転しているのを感じさせた
Nobuのことを口に出そうかどうしようか・・・・
私の頭の中でもグルグル回ってる
でも、マスターが本当に困ってるようだったから
すぐにわかるヒントを教えてあげた
いつも接客をしているマスターだから
どうして私が1人でそんな時間に来たのかを察したのだろう
Nobuや周りの友達の話をしながら
一生懸命フォローしてくれて
マスター自身のこともたくさん話してくれた
私の事を知ってる人
でも、本当の私のことは何一つ知らない人
とても心地の良い時間が流れていく
ん?
電話が鳴ってる!?
Nobuからの電話だった
結局Nobuが店に来て
適当なところで切り上げて
ホテルまで送ってもらって
「じゃ」
せっかく楽しく過ごした時間がぶち壊し
ホテルの天井見ながら考える
「私何やってんだろう?」
答えは見つからないけれど
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