一陽来復 *

2004年07月15日(木) クマに出会ったらどうなるか

女子高生と、コギャルと、ヤンママが特に好むそのクマを、
私はあまり好きではなかった。

ショッピングセンターのクレーンゲームの内側で、
その黄色いクマは、直感的に「とれる!」と私に感じさせ、
3分後には私の片手に持て余されていたのだった。

ときおり視線を感じながらも電車で連れて帰った。

電話機の横に飾っておくと、同居人が帰ってきて、
「かわいー」「すごいー」と予想以上の反応をして私は良い気分になった。

寝る前に、こっそり自分の部屋に連れてきて、
ぎゅっと、抱きしめてみた。

いとおしいような、安心するような、懐かしい感覚があった。

そうして、アンチ プー(さん)であった私の心は、
くぅちゃんの瞳に魅せられたアイフルのお父さんのように、

見る影もなく、

とろとろと、

とろけていったのだった。

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