- 2000年01月26日(水) 方向感覚
☆よく、「男は方向感覚が良いが、女は方向音痴が多い」という言い方を聞きませんか?
え? 「そんな差別的な言い方はしない」?
ああ、そうですよねえ。よかった。
でも、
「男は目標の方向を定めて、あとはカンに頼って移動する人が多い」
「女は目印を覚えておいてそれを頼りに移動する」
こういう言い方だと、「なるほど」と思ったり、少なくとも「聞いたことはある」人は多いのでは?
本当にそうなのでしょうか?
これは、あるとき、本当にあったお話です。(明かりを消して読みましょう……ウソウソ(^^;)
☆今日、最近よく行く「ブティックO」と「市立図書館」に行った。
「O」での私は、今やすっかり「1階のお客様」だ―1階は婦人もの、2階が紳士もの。男ものはゼッタイ買わないぞぉっ!
(注1:靴下だけは別(^^; 注2:「男に見える」のはかまわない……この「注」、ウルサイぞ!)
「O」の駐車場へ向かいながら、ふと思いついた。駐車料金が「1時間半タダ」のスタンプをもらったから思いついたんだけど。
「せっかく時間があるなら、図書館まで歩いていこうかな♪」
確か、「ブティックO」と「市立図書館」は、そんなに遠くなかったはずだ。
でも、二つの場所を結びつけて考えたことのなかった私は、一瞬混乱した。
「どうやって行けばいいんだろう?」
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私は、ちょっと信じられないほどの「方向音痴」というか「方向勘違い」なのだ。
特に車に乗っていると、ひどい。
でも、歩いていても、例えば、喫茶店(←今はもうあんまり残ってませんねぇ……)に入り、出ると必ず、目指すのと反対の方向へ歩き出してしまう。
一度、「『こっちだ』と思うのと『反対』の方向に行けばいいんだ」と思って実行してみたら、やっぱり「本当に目指す方向」とは「反対」だった。
それ以来、諦めて「迷うときには迷うのが一番(^^;)」と思うことにしているけど、迷っている最中に「日が暮れる」のを見るのが、いつも辛いの……。
なんか、ある少年誌に掲載されていた、主人公が「男の子兼女の子」の漫画に出てくる、「黒い子豚に変身する男の子」とおんなじだなぁ、と思ってしまう。
彼の気持ち、よく分かるもん。
なんで、どう考えても長くて15分ぐらいで到着するはずのところに、「45分」もかかるのよぉ!?
その場にいるみんなに、怪しまれちゃったじゃないの!
「何サボッてんだ?」
人が涙目になって「ここはだれ? 今はどこ? 私はいつ?」と混乱しまくっていたっていうのにぃ!
はぁ、はぁ、……興奮してしまった。
ちょっとしつこくなっちゃったから、このくらいにして、と。
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目印を頼りにすることにした。「U結婚式場」と「S山」が左に見える。
確か、「U」は「O」の近くの通りの出口のあたりにあった。
それに、図書館も「S山」のそばにあったはず。
途中の道が45度以上曲がっていないことを祈りながら、駐車場から「図書館に向かってまっすぐに伸びている」ような気がする道を歩き始める。
歩きながら気がついた。
「途中で、いくつか幹線道路を横切るのでは?」
それは1本だったか、2本だったか……?
思い出せない。
なんとなく頭の中に「地図」のようなものが浮かぶのだが、そのあちこちが「大きな魚」とか「ラッパを吹く天使」とかにじゃまされて、道がちゃんとつながらない。
だんだん「U」が遠くなって、
……不安だ。
と思い始めた時、まるで
「考えるほうに夢中になってしまうから、キミは迷うんだよ!」
とでも言わんばかりに、目の前がぱっと広がった。
幹線道路(その1)だった。
「いつも車で図書館に行くときは、この道を山に近い方に向かって走って行って、古い商店街が見える手前の角を右に曲がれば、そのうち図書館の入り口の公園が見えるんだっけ……」
と思うが、どうも歩いて行くには遠回りのような気がする。
うー、どうしよう。
だって、この道路、今歩いてきた道と、「135度」ぐらいの角度になっているような気がするぞ?
なんか、「渡り方」を誤っただけで、ふと気がつくと「図書館」ではなくて、反対方向の「城跡」かなんかに行ってしまいそう(^^;。
……でも、いつまでももじもじしているわけにはいかない。
あっ、向こうで高校生の子たちがこっち見てる。
ええい、いいや。たぶん、「S山」があっちに見えるんだから、すっごく斜めだけどこっちでいいんだろう。
どうやら「S山」が左に見えるままで、渡った先の道を進んでいけた。
……と、今度は、ちょっと先の方に交差点があるようだ。
今、車が横切ったから。
……そこまで来てみて分かった。
幹線道路(その2)だった。
……忘れていた。
この道、渡ってしまっても「図書館」に行けるんだっけ?
あううぅっ、分からないぃぃぃ(^^; (^^;
でも、「S山」の風景が、なんだか「図書館」から見えるのよりも「手前」になるようだ。
……
……(考え中;でも、何考えたらいいのか、分からない(^^;)
あ、また人が見てる。
いいや、渡っちゃえっ!!
あっ、し、しまった、渡ってその先へ行こうとしたら、すぐに行き止まりだっ!!
やられたっ!!
私は既に混乱していた。
こういうとき、私は「分かっている目印まで戻る」ことができないのだ。
たいていの場合、そんなことは忘れ、焦って先へ進もうとしてしまうし、もしも思い出して「戻った」つもりでも、ちゃんと戻れたことがないのも、経験的に(^^;明らかだった。
た、確か、こっちが「図書館」の方向だっ!!
ああ、また曲がらなくちゃ。今度は右よねっ?
……そうして、完全に「あてずっぽう」に曲がったとき。
……
目の前に、少し広い道路が伸びていた。
そして、その突き当たり、約500mぐらい先の方に、……
あったの。
図書館の窓が。
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私はとても視力が良い。小学校〜中学校にかけてはずっと、両眼とも「2.0」だったし、20代の終わりごろにワープロを始めて、昔の液晶の黒っぽい画面を見ているうちにいったん「左1.2、右1.5」に下がってしまったが、今はまた両眼とも「1.5」だ。
それでも自分では「霞んでいるなあ」と思う。
きっと、「老眼」になるのは早いんだろうなあ……
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窓の中の、外よりはちょっと暗い室内で、本を読んでいる人たちの姿が見える。
や、……やったぁっ!!
なんと、ほぼ「最短距離」で「図書館」に到達したのだ。
なんで「最短距離」って分かるかって?
だって、「S山」がずっと左に見えたもん。
だから、たぶん「最短距離」。そう思わせといてっ。
私は、いつもと正反対の意味で「涙目」になりながら、「図書館」の玄関をくぐったのだった。
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実はこのお話には「後日談」があります。
あっ、同じ日のことだから、後「日」とは言わないね。
帰り道も、なんとかほぼ同じ道を(今度は目印を頼りにしながら)帰ってくることができて、
「やったぁーっ、私は本当は『方向音痴』なんかじゃないんだぁーっ!!♪♪♪♪」
\(≧▽≦)/
と、喜び勇んで駐車場に行き着いて、精算(もっちろん、タダよぉ♪)して、車に乗り込み、駐車場から出ようとして、……
「私はどっちに出れば帰れるの?」
駐車場に面している道路が2本あるじゃないのぉっ!!??
(ということは、4つの選択肢があるわけ(^^;)
切り返しを何度かして、わざわざ車を精算所が背になる向きにして、私は15秒ぐらい悩んでから、駐車場を出たのでした。
……
なんでじゃぁーっ???!!!