音大に行くことは、私の夢だった。 そして、その夢は二〇〇四年四月一日に、現実のものとなる。
あんなに、遠くに、かすかに淡く光ってた願いが、 今はもう私の手の中に、あるのだ。 手の中にある光は、 意外なほど手にずしりと重く、ぼうだいに広がっている。 けれど、その光の中に、何かが見える気がして。 何か素敵な、大切なものがあるような気がして。 あまりに漠然としすぎていて、探し出すのは大変かもしれない。 けれど「あきらめちゃいけない」 その決意が手の中の光をしっかり支えている。 だって、あんなに小さかった願いを・・・光を手に出来たのは、 あきらめなかったからだから。
お母さんに最後にもう一度 「本当に行っていいんだよね?」って思わず聞こうかと思った。 でも、何となく照れくさくて言えなかった。
みんな、私を応援している。 それは、確かなこと。確かな勇気。 私は、ひたすらに、やりたいように頑張ればいいのだ。 それは、確かな幸せ。
広大にひろがる願いという光の中へ、私は明日、旅立ちます。 たくさんの、応援の後押しと勇気と幸せに見守られながら。 音楽に答えはないけれど、 音楽を感じるために、そして、そのなかに心をこめるために。 私を表現するために。
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