---□□草原で独り言□□---

2006年01月06日(金) 仕方がないのだ

元旦に父の実家に新年のあいさつに行った−ようするに、私の祖父と祖母だ。もともと体の弱っていた祖父だったが、想像以上に変わっていた。半分寝呆けていたようだが、手の力も入らず言葉を交わすことも、ものを食べることもままならない。私が去年の12/18に出演したコンサートの写真も、見られることはなく、意味をなさなかった。祖父の体調がよくなさそうなので皆が寝るようにいうが、祖父はなかなか動こうとしなく、またやっとベッドに着いても横になろうとしない。祖母は声を荒げた「お父さん!ほら寝るんだって!みんなに迷惑かけてるんだよ」。祖父もまたそう言われて、腹がたっているようで、なかなか横にならなかったが、いとこが「おじいちゃん、寝たほうがいいよ」っと言うと、やっと布団に入った。
祖父は変わってしまった。仕方がないんだ。年をとることを止めることは、たとえ総理大臣でもお医者でもできないのだから。もしかしたら、もうすぐ私たちのことも言葉もわからなくなってしまうかも知れない。でも思うんだ。それによって私たちがどんなに悲しい思いをしてもいい。けれど、祖父に悲しい思いをして欲しくない、「嫌われている」とか誤解して欲しくないと思った。
昨年の夏、まだ意識がしっかりとしていた祖父。体力が弱っていた祖父は私に小さい声で言った
「困ったことあったら、何でも言えば、ちからに、なるから」
たとえ祖父がどうなったとしても、祖父はずっと家族や私たちをとても大事に思っていた。そんな祖父が悲しい思いをして毎日を過ごすのだとしたら、私は胸が苦しくてたまらないんだ。
けれど、それは祖父の介護をしているわけではない私だから言えることなのかもしれない。かっこうよい祖父を知っている祖母は、きっとすごく悲しいはずだ。なかなか話の通じない祖父に苛立ってしまうんだ。「もうヤダ、迷惑」「大変、辛い」って思うだろう。だけど、どうか祖父のかとを「嫌い」にはならないでって孫の私は、願ってしまう。


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S.Soraka [MAIL]