どしゃぶりの音。 朝なのにうす暗い部屋。 「あーぁ、今日は雨かぁ」とため息つく私。 階段をおりて居間にいくと、台所の電気と一緒になって、より一層明るい部屋。雨の日ゆえにどこか湿度のたかい、けれどコタツのぬくみで温かく、そこには髭剃の音や、台所をばたばたと慌しくかけまわる音、みそ汁をすする音とかたくさんの音が温かいなかに流れていた。 さらにどしゃぶりの音。「あーぁ、学校行くの面倒くさいなぁ」横目でテレビを眺めながら、ずっとこうやってダラダラしてたいなぁーと企みだす私。自然と身仕度の俊敏さもなくなって 「早くしなきゃ学校遅刻するよ」 と一喝される。ちょっとがっかりする私。さすがにでもやっぱ行かなきゃダメかー?と渋々玄関に向かう。 ところで私何年生だっけ?妹より二個下だから、四年生か。え、私小学生だったっけ?いやいや、違うよ私大学生だよ。小学校を見学しに行ってるのかなー、あ、じゃあ今日はサボってもいいか 「な」
で、覚めた。 部屋は相変わらずうす暗くて、私ひとりのアパート。どしゃぶりの音。 昔の朝の夢。昔っから私はサボる味を覚えていたらしい、うん、確かそうだった。まぁ結局は企み成功ならずで学校に行くことになるんだけど。 懐かしい感じがした。妹も四月からは大学で東京だ。こんな状況はもう多分ないだろう。春や夏休み、年末年始にやっと家族全員がそろうという実際があたりまえになる。
雨の日は本当にいやだ。独特の湿気の空気と匂いが、昔の光景をプレイバックさせる。たとえそれが楽しい思い出であっても、雨のざーざーという音が、現在の私を淋しくさせる。
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