気付くのが遅すぎた。 ときどき夢に見るのも、思い出に残るのも優しい友達たち。誰もかれも優しくて、本当にいい子たちで。なのに私は違った、優しくされることに何も感じない、それほど人を心配したこともない…誰かを傷つけることも私には関係ない…私はわがままだった。 そんな私なのに、いつだって誰か一緒に友達がいてくれた。…ひとえに友達が優しい人ばかりだったから。私は冷酷で身勝手な性格なんだと気付くまでに時間がかかりすぎた。だって、誰も私を責めなかった、私に悪口を投げなかった。鈍感だっただけで、本当は嫌われていたのだろうか?見えないところで陰口をささやかれたのだろうか?たとえそうだったとしても、私は気付かなかったに違いない。 身勝手だったけれど、私は無邪気でもあった。私は誰かにことばを投げ掛けられて傷ついた記憶がそんなにない。ゼロと言っていいくらい。私は女の子が言われてイヤだと思う言葉を平然と聞き過ごしていた気がする。自分が傷つかなかった言葉だから、傷つくともわからずに友達にも言ってしまっていたことが何度もあると思う。もしかしたらイヤミを言われたこともあるかも知れないけれど、たとえ言われたのだとしても私はそれにも気付かなかっただろう。 心が子供から大人になるのが遅かったように思う。いいえ、深層と表面が一体化しない感じ。だから悩んで、毎日よく色々考えたことは覚えている。みんな子供だと思い込んでいた…みんなの考え方が男の子、女の子、そして大人の心に形づくられていく中で、私は誰もが子供なのだと疑いもしなかった。そのくせ自分は大人だと思っていたんだ。 身勝手でワガママで、鈍感で…人に優しさを与えもしないで…愚かだったのは私だ
|