うれしくも、かなしくも、いらだたしくも、たのしくもない。それは無感情。あまりに簡単すぎる答え。だけど、何だか世界にはちょっと違う無感情があるような気がしてならなくて。それはあきらめにも似て、あせりにも、騒音のなかにある色褪せにも似て。何かにせかされながら過ごした時間は、記憶に感情に明瞭に焼き付けられないたくさんの感情を感じたとしても、それが過ぎたとたん、またあせりだす穏やかに、鮮明に刻まれない記憶。