---□□草原で独り言□□---

2007年04月27日(金) 知らないところで

私は自分が、つまらない人間だと悲しくなることがよくある。
何も言えない、そういう臆病者だと思う。

私は鈍感だ。
たぶん、常識がない。
それは人とたくさん話すということをしてこなかったから。
「どのような言葉で、人が傷つくのかわからない」…
いや、そうじゃない。
似てるけど、違う。ぜんぜん、ちがう。
「どのような言葉でなら、人が傷つかないかわからない」
どの言葉でも相手が傷ついてしまう気がするから、
なにも言えない。

私はどんな言葉でも、色々な方面から考えてしまう。
どんな言葉だって、見る角度を変えたなら、
善にだって悪にだってなりえる気がする。
常識があったなら、
「こういう場合はこうだな」ってわかるのに。
一つの言葉なのに、たくさんの意味の可能性を考えてしまう。
そのくせ、知識がないから、隠れた意味は知らなかったりする。

わたしって本当につまらないヤツだ。
自分で自分の言葉すら口にできないなんて。
いつも相手の言葉を疑って、あわてていて、
そのくせ気づけなくて、気の利いたこともいえなくて。
自分で自分が滑稽に思えた。

私は私のつまらない部分ばかり見える。
嫌なことばかり、後悔して、嘆いている。


でも、今日。
友達とカフェでコーヒー飲みながら話していて。
少し嬉しくなったのは。
その友達が、またその友達に私の話をしたらしくて、
すごく興味を持ってくれたみたいで。
どんな話をしたのかは聞いてないけれど、
「そうかぁ私にも興味を持ってもらえるような、
 面白いとこがあるのかぁ」って思って。

わたしはわたしの中でしか存在しないように思えてしまうけれど、
知らないところで誰かが私の話をしている。
いま友達が話して笑っているかもしれないし、
いま家族が話して心配しているかもしれない。

たったそれだけのことなのに。
想像したら、とてもなんだか、嬉しくて。
私が私いがいのところで、存在していること。
地に足が着く感じがする。


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S.Soraka [MAIL]