私はあまり人にモノを頼まない。 頼むくらいなら、自分でこなす。 頼む言葉を考えるのがおっくうだった。
もし頼んだなら、自分のためになる そういうことすらも 頼めなかった。
誰かに愚痴を語ったかなぁと言えば、 友達が一人、先生一人が思い浮かぶけれど。 愚痴を言うのは、恐ろしいことだ。 嫌われてしまうおそれが、あるから。 だから、言わない。
いままでそうしてきた。 こなさなきゃならないこと、忘れてはならないこと、 しっかり者であるために、失敗できないことがたくさんあって 私はそれをすべて一人でこなしてきた。 適当な人に頼ったり、助けをもとめたり、 そんなことはしなかった。
今までそうできていた。
けれど、今。
私はなんだか心が緩んでいて、 ぼぅっとしている。 なにかミスをおかしそうになったり、 連絡されたことを忘れてしまったり、 こなさなきゃならないのに後回しにしたり。
どうしてか気が緩んでる。 そう自覚した。
今の自分は「しっかり者」ではない・・・ そう不安に思った。 ここ数ヶ月そんな状態だった。 ぐだぐだとしていたんだ。
今こうして、普通に日記を書いていられるのが、 穏やかに夏休みを迎えられたのが不思議なくらい。
でも、なんとかやってこれたのは。 そう、振りかえってみたら。
いつも私がなにか失敗をしでかそうとしたとき、 いつも友達が私のフォローをしてくれた。 一人ぼぉっとしていたとき、 友達が私に声をかけてくれた。 うだうだと怠けていたとき、 友達が、先生が、厳しさと心配りをくれた。
それはひとつひとつ、おおごとではなくて ほんの些細に見えるような出来事だったりする。 けれど、すべてが 優しさや暖かさに満ちていた。 私はいつだって人に助けられていた。 私は確実に人の中で生きている。 私が周りに心を向けていなかっただけで、 今までだって、人はいつのまにやら私を助けてくれていたんだと 実感した。
自分は「しっかり者」ではない・・・ そう不安になった瞬間。 必要ないっとずっとつっぱねていた、 差し伸べられていた数々の手が見えるようになった。 感謝するようになった。
ありがとう。 私に手をさしのべてくれて、ありがとう。
このままぐだぐだとしていてはいけないけれど。 早くしっかり者に戻るけれど。
たくさんの人の優しさが見えるようになって、 私は寂しくなくなった。
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