近づけば近づくほど 不安になるのはどうしてだ
そのくせ離れると 怖くて仕方がない しかし近づくことがまた おそろしいのはどうしてだ
泣きたくなったのは 涙があふれたのは 一日カーテンの閉まった部屋で ベッドで途方にくれたのは
愛着か はたまた 恋か
あなたが誰かを愛している それだけのことが 私の背筋から 血をすうっと凍らせて 脊髄の中身が 空っぽになったようだった 暖かかった空間が 一挙に敵になった
愛着か 恋か 近づきたい しかし近づきたくない 後ずさりしながら 背を追いかけて
これを世界では なんというのだろう
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