あまつばめの雑記
こんばんは。いらっしゃいませ。

2001年11月26日(月) 怖いもの

お昼を買いに出て、木枯らしが街路樹を裸にしていることに気づいた。
日差しは暖かなのに、朝夕の寒さと乾いた風が葉を散らす。それでも、まだしぶとく残っている葉。乾いていて、ザワザワっとふきつけられる音。

妙な感慨を覚えます。


こんばんは。寒い最中、風邪などひいていませんか。
あまつばめです。



あなたは、どんなものが怖いですか?



私は臆病だから、怖いものでいっぱいです。

高く空に突き抜けるようなビルを見上げると、背筋がゾクゾクしてしゃがみこんでしまいそうになる。
小高い山の上、水平線の彼方を眺めると、誰もいないところに取り残された気持ちで淋しくなる。
大勢の人たちが階段を駆け上がるざわめきに、いっそ振り返り逃げ出したくなる。

普通の生活をすること、怖いです。


電車やバスなどに乗れないほどではないのですが、乗り物全般は閉じ込められた空間で、圧迫感が捨てきれない。
それでも、普通の生活を捨てきれず、毎日、おびえて乗っています。
別のことをして怖さを忘れようと、一包みのガムを口いっぱいにいれて噛みつづけたり、本を読むことで他のことを考えないようにしたり。
逃げつづけています。

今日は、気持ちが晴れていて余裕があり、周りの声を聞くことができました。
帰りのバスで、小学生の男の子と母親が座っていました。
近くの椅子に座って、携帯ゲームのスイッチを入れる。
すると、男の子が
「ねえ、お母さん。大人の人がゲームボーイをやってるよ」
と、声を潜めながら母親に話しかけていました。
見回さなくても予想がつきます。私のことでしょう。席も近く、中途半端に潜めた声など、丸聞こえです。
私は呟きました。

「坊や。大人だってね、ゲームやっていけない理由なんかないんだよ」

もちろん、聞こえるように。

母親が慌てて子供と話をしました。さすがに聞こえません。どんな話をしたのでしょう。
バスを降りるとき、急かしたてるように降りていった姿を見ると、私を危ない人と認識したのでしょうか?


否定はしませんよ。
いい大人が、公共機関の中でゲームをやっていること、お世辞にもかっこいいとは思っていません。

「怖さをごまかすために、色々奇妙なことをしています」
そんな看板を背負っているわけじゃない。言いふらしているわけじゃないから、立派なキチガイさんに見られているかもしれません。

でもね、
そんな風に見ている

目が、
囁きが、
態度が、


私は怖い。どうしようもなく。



ガム、買っておこう。
なんとなく、ため息。


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あまつばめ [MAIL]

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