水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
料理を巡る極上の七つの物語「注文の多い料理小説集」(文春文庫)なら、期待するのはグルメ物語。 というのは、勝手な思い込みでしょうか。
深緑野分『福神漬け』はグルメ物語の対極にあるようなお話。 登場するのは、経済的に困窮する大学生です。 両親が営んでいた喫茶店が立ち行かなくなり、大学を休学。 コンビニと大病院の清掃員。ふたつのバイトを掛け持ちする日々。 特製肉まんか、売れ残りのあんまんか。 60円の差で安い方を選ぶのは切実。 お金がないって、悲しい。
コンビニで働いた後、大病院の清掃員のバイトに直行。 作業の合間の休憩時間に不思議な出来事が主人公に起こります。
歴史を振り返れば、グルメなんて、最近の言葉。 昔は生きるために食べていたんですよね。
福神漬を無性に食べたくなっています。
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