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2007年05月20日(日) 江戸絵画 プライスコレクション

伊藤若冲の展覧会にいってきた。

若冲は江戸時代中期の絵師。緻密な描写と大胆な構図、卓越した色彩感覚など、明らかに同時代の絵師と同列にできない存在感があり、見れば見るほど魅入られていくようなそんな雰囲気がある。
なかでも「鳥獣花木図屏風」は1日見ててもあきない、と思った。
今回の展覧会はアメリカ人であるジョー・プライス氏の膨大な江戸絵画コレクションの一部を公開しているのだけど、プライスは大学を卒業したばかりの頃、ニューヨークの画廊でずっと埃をかぶっていた若冲の作品に出会って非常に衝撃をうけたとのこと。
プライスは若冲の作品を「自然を取り出して再構築した芸術」と評していて、それがとても印象に残った。名前も知らない東洋人の、しかも何百年も前に生きていた人との出会い、それはとても幸せな出会いだったんだろうな、とおもう。そんな思いがひしひしと伝わってくるようなコレクションだった。

それにしても、江戸時代中期の画家の感性が今これほど広く受け入れられているのをみると、人間の感性というのは数百年前であろうが何であろうが変わらないものなんだなとあらためて思う。ただその感性を誰にも思いつかない表現で描いた若冲はやはり特別な人だったんだなとおもった。


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