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■ 鋼。
ちょいとばかし覚書。
1、おはよう 『見知らぬ、天井』 隣に誰も寝ていないことが、せめてもの幸いだった。 自然と、自分の横を確認してしまう習慣は抜けていない。僅かながらの気恥ずかしさを噛み締めて起き上がろうとしたのだが。 嗚呼、右腕は壊れてしまったっけ。 (病室にて。目が醒めたか、鋼の。昼間は夜の次に夢を見やすい。真白い白昼夢。)
2、いってきます(イラスト:エドアル) 9、火傷(漫画『低温火傷』) 触れた箇所が火が付いたように熱かった。 皮膚の下で確実に蝕んでゆく。 まるで低温火傷のような、想い。
10、駅 『プラットフォーム』 別れはいつも此処からだから、私は滅多に訪れないようにしている。 子供の様な干渉の仕方が割れながら滑稽だ。 子供という単語を思い出すと、特定の人物が浮かぶ。ついこの間、あの子と此処で別れたばかりだというのに。きっと、駅に来たくなかったのはその理由が大多数を占めている。 あの子は私に、私が抱いている寂しさを、其の熱く柔らかい心で感じてはいるのだろうか。 秋の、木立の香りを含む少し肌寒い風が髪を嬲る。 (感傷。ロイオンリー)
12、真夏日(イラスト:ロイエド) 22、背中(イラスト:ロイ)
32、好き? 『If you love me...』 「なァあんた、俺のこと好き?」 とても睦言を囁くといったものではない、鋭利で硬質な言い方に一瞬反応が遅れた。 既に温もりの無い、乾いたシャツを袖に通した格好のまま目の前の人物を見据える。何を今更、と口に出すこともせず、僅かな怒りを持って瞳に言葉を託した。そんな事を聞くのは無意味で、寧ろ侮辱されているのかと勘繰る事も出来るのだが、鋼の君はそんな意味を込めて尋ねた訳ではないだろう。 自分は、眉間に皺を寄せて睨む様な顔になっていた。其れに怯む事無く彼は再び口を開く。 「あんたは俺に何をしてくれる?」 「等価交換、か」 「そう」 お前を好きでいて良いという代わりに、何かを差し出せというのか。人の気持ちさえも何かに換えよと。 なんて強欲で傲慢で、寂しい子供か。 (人を殺したくない。戦場に行きたくないという願いをロイに伝えたいけれど、理由が無いと頼めない。殺伐とした会話で弱音を吐くエド。けしてロイは優しくならないで。俺はあんたを好きじゃないから、交換だと。嘘で塗り固めた言葉で武装して。何か違っているけれど、其れを成り立たせるのはロイの言葉一つ。そんなSS)
39、10(漫画『COUNT DOWN』) 10数えるうちに、此方に来て。
41、触るな!(漫画『Permit』) 結局、俺は脆い。 ヒューズ死後。禁断の練成には、触るなよ、と。 荒れてるロイ。助けてと叫ぶのは常に心の中で。
2003年11月25日(火)
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