恋愛日記



 世界。

彼は、
あたしだけは殺してくれない気がする。

腕に刺された創がある人。
甲に煙草を近づけても逃げない人。
「殺せば?」と言われて気絶するまで首を絞めた人。

あたしが逃げるのを、
許してくれない気がする。
もし彼の手で死ねるなら本望なのに。

拒否されるのが、
許可されるのが、
怖くて言えない。

一人で逃げるのは卑怯だと言われたから。
俺を殺せるかと、聞いてきた男だから。

あたしは今でも殺せるよ、
後を追って善いという条件付なら直ぐにでも。
迷わず答えた。
今でも変わらない。
好きで好きで、閉じ込めてしまいたい。
目を塞いで、四肢を拘束して
彼の世界を奪いたい。

だからあたしを殺して。


2006年02月07日(火)
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