日々雑感
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2004年01月18日(日) 南チロル点景

ブレンナー峠を越えて南チロルへ。いちおうイタリアではあるのだが、街の中の標示はすべてドイツ語とイタリア語の同時表記、学校でも両方の言葉を習うという地方である。

「チロル」という言葉から、アルプスの山並みとか、山の暮らしとか、牧歌的なイメージを勝手に抱いていたけれども、実際に訪れて、ひどく生々しい土地であるのに驚いた。もっと言うならば、血の匂いがするかのような。少なくとも「牧歌的」とは正反対の空気を持つ場所であることは確かである。

いたるところに磔のキリスト像がある。木製の磔像にはきまって傷跡が彫られ、そこから血がにじみ、流れている。白い身体と、その血の赤のコントラスト。

夜、墓場まで散歩。雪の中に、ほのかに赤いろうそくの灯りが点々と散らばっている。いっしょに歩いていた人が、これは神の永遠の光を表すのだと教えてくれた。山から流れてくる水の音がする。見上げると、ぞっとするほどにたくさんの星。村の奥へとつづく道の向こうに北極星が見えた。


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