病理学のI先生がご逝去された。 衝撃が走った。 初め聞いたときは嘘だと思った。 おそらく誰もがそう思ったであろう。 しかし冷酷な現実。
クモ膜下出血。 前日の頭痛は何かの予兆だったのか。
単身赴任で一人暮らしだったと聞いた。 一家の主を失った奥さん、子供はどんなに悲しいだろう。 倒れてすぐ、家に家族がいて病院に搬送すれば間に合ったかもしれない。
一人、家で倒れている彼を発見したのもK教授というのも何かの因果か。 実習、授業はどうするのか、附属病院の病理診断は誰がするのか、 国家試験対策の引継ぎはどうするのか・・・ 人員不足の医局で彼を失ったことによる損失は計り知れない。
今でもあのVAIOの中には彼の作った パワーポイントのスライド、国試出題頻度データが眠っている。 僕らは最後の教え子になってしまった・・・。
通夜に行ってきた人から 「ばーか、と言って起き上がりそうだった」 「最後のお別れで顔を見た瞬間、死の現実に引き戻された」 と言う言葉を聞いたときはほんとに辛かった。
彼の力を借りて取得した歯科医師免許を無駄にしない 歯科医師になることを誓う。
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