何で私はここにいるのだろう。
このごろよくそう思う。
向き合うべきものは、もうとっくになくしてしまった。それは自らが招いたもの。
早春の梅の頃の、一足早い花見であるとか、時折襲う激しい頭痛に、手を伸ばす鎮痛剤であるとか、何気なく耳にした懐かしい曲のフレーズであるとか、ほんの些細なことで一気に溢れ出す記憶を持て余してしまう。
人生なんて、いつもあとになってから思うのだ。
あの時ああしておけば、今とは違う自分がいたのじゃないか、と。
だけどそれは自己否定というよりも、関わってきた全てのものを否定することになる。
それはあまりにも傲慢な気がする。
今年もまた、桜の季節が近付いてくる。日々膨らんでゆくつぼみと、日々届けられる桜の開花の便りに、少し苦い想いと、ささやかな幸せをかみしめる。
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