2008年06月20日(金) |
ひとりでいてもこわくない |
角田光代さんの「対岸の彼女」が面白い。 主人公のひとりが、友達を作ることに関してこんなことをいう。
「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」
これを読んだ途端、胸のつかえがすっきり取れたというか、こどもに教えないといけないことは、これなんじゃないかな、と思った。
友達がたくさんいるのはいいことだ。 でも友達をたくさん作って、周りの人たちとうまくやることが人生で一番大切なことじゃない。
人に何を言われようと自分はこれでいく、と決められる決断力を持つこと、それから一人の時間を大切に生きられる、すなわち自分を大切にできる人間に育ってもらいたいなあと。 そうやって「ひとりでいてもこわくない」人達だけが、成熟した人間関係を創れるのではないだろうか。
携帯を握りしめていないと不安な子供たちは、寂しさと向き合えない、一人ではとても立っていられないようなか弱き存在なのかもしれない。
私も「ひとりでもいてもこわくない」とはとても言えない。けれど、そうありたいと願うので、子供と一緒に育っていければいいなと思っている。
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